注意事項と3次元データの共有について

〇注意事項

3次元データのサイズによっては、高額な通信費用が発生します。Wi-Fi接続状態のスマートフォンまたは定額回線でのPCブラウザでの閲覧を推奨します。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを使用してみたい方へ

古墳や横穴式石室/横穴墓の3次元計測を行った記事は見つかるものの、取得データ自体に殆どアクセスできない3次元データ。レーザーやSfM/MVSと比べ粗いデータではありますが、使用してみたいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください。ただし、管理者/自治体との契約により、利活用が制限されている場合があります。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを引き継ぎたい方へ

個人の3次元データではありますが、複数の要因で立入ができなくなった横穴式石室/横穴墓が多くあります。今後、個人でのデータ管理が行えなくなる/デジタル遺品化することを考慮し、データ相続先の研究者さん団体さんを緩く募集します。

記事への秘匿コメント、Sketchfabアカウントへのメッセージ、ストリートビューの公開アカウントなどお好きな手順でご連絡ください。





2018年12月29日土曜日

島根県_出雲市_宝塚古墳(Ver1.0)

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※水田とお墓に囲まれ、僅かな樹木で”石舞台化”が抑えられている宝塚古墳。どうしても石棺に目が行ってしまいますが、一枚岩の奥壁、側壁の平滑具合、巨石3つで構成されている天井、原位置を保っているなら控え積みと思しき石材など、石室としてもいろいろ見るべき部分があります。玄門周りの構築が、周辺の大型石室に似ていることや羨道側にも大きな岩が残っていることから、羨道もそれなりの長さありそうです。(開口部は、羨道最奥天井石部分?)

結構落書きがあるんですが、銅鐸に書かれているような狩人を模していたり。落書きした人も何か思うところあったんでしょうか。

2018年12月26日水曜日

徳島県_美馬市_国中古墳(Ver1.0)

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※美馬市のHPにも説明があるのに、意外と見学記が出てこない国中古墳。googlemap(衛星写真)に見える位置にあるのですが、運悪く木の陰になって墳丘が見えていません。台地端にあり、道路上からも一応墳丘は見ています。南側に回ると、天井石1枚分が開いており、そこから石室に滑り込めます。おそらく天井石は6枚構成、入り口側の1枚が欠落で羨道側も高さから行くと天井は失われていそう。他の古いといわれているものに比べると、奥壁の立ち上がりがやや緩く三島1号にも近い形状をしています。

なんとなく、段の塚穴型の中でも石室最高地点を真ん中に作るものと奥壁寄りに作るものと差があるような・・・無いような。

2018年12月23日日曜日

茨城県_常陸太田市_猫淵横穴群(Ver1.0)

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※川沿い斜面にあり、南側からアプローチする道もそろそろ危ないかなぁと思われる猫淵横穴群。線刻のある9号墓も1/3程度は表面が剥落しています。写真だと奥壁にコダマのような顔が見えていますが、実際には全く違う形で目や鼻がはっきりと彫り込まれています。側面(剣を持った人物)、天井面(入り口側を睨む目)にも線刻があります。時期ははっきりしていません。
8号9号(線刻のある横穴)10号?(空間はありそう)11号?(床面撥型?)が並んでいるエリアより北側の少し高くなった場所にも数基がありますが、ずいぶんと崩落しています。

過去の記録のころから、目がくりぬかれたり、側面に”宝物がカクサレテイル”と書かれていたり落書きが増えているそうです。


2018年12月16日日曜日

奈良県_平群町_烏土塚古墳(Ver1.0)

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※前方後円墳に大型横穴式石室の組み合わせを持つ烏土塚古墳。駅から近い少し高台の場所に、住宅に囲まれながら所在しています。前方部からは、西宮古墳の石室入り口も見えます。後円部南側に開口する横穴式石室は14mを超えるものですが、特に印象に残るのはその背の高さ。幅がそれほどないため、余計に高く感じます。それと、奥壁に使用されている石材が薄いのも意外でした。

石室入り口は施錠されています。年末年始、祝祭日には鍵を借用することができません。

2018年12月6日木曜日

記念写真の価値が上がる一言

然も今日古墳を見学したような呟き、記事、そして写真。
翌日行ってみると、その古墳は湮滅していた・・・
なんてことも起こる今日この頃。
写真などのデータを公開している方に、声を大にして言いたい。

撮影した時期を大まかにでも付与してほしい
自戒を込めて・・・
(3Dモデルと全天球には、”だいたい”記載されている・・・と思う)

昨日見た呟きには、墳丘の写真があった。
あのHPの記事では、柵がなく石室に入れていた。
出土した石棺が置いてあるはずなのに、実際には無かった。

基本的に、自治体の文化財ページが現状に合わせて更新されることは稀です。埋蔵文化財に至っては、情報すら見つからないでしょう。そこで頼りになるのが見学者の口コミですが、写真を引っ張ってきてそれらしいコメントを付けて投稿するBotなどもあり、最新の情報を投稿時間で縛ることもできません。いつ頃その古墳を訪ねたか大まかでも記載があれば、続いて見学する方が悔しい思いをするのを避けれるかもしれません。

そして、それは文化財防災にも繋がります。何時壊れたか。大きな災害などがあれば、おおよそ検討はつきます。

3次元データによる熊本地震前後の井寺古墳の変状解析 資料4

ただ、実際には災害の前に壊れていたかもしれない。災害の後も継続して壊れているのかもしれない。復旧や保存を不確定にする要素が、皆さんの記念写真で払拭できるとすれば。。。なんだかカッコよくありませんか?

2014/12/27 二軒小屋古墳

2018/1/3 二軒小屋古墳

2018年11月30日金曜日

徳島県_美馬市_棚塚古墳(Ver2.0)

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※StructureSensorでの3Dスキャンの初期に見学している棚塚古墳ですが、データが失敗していて心残りだった場所。ZenfoneAR+Rtab-MAPで再スキャンして、カッコイイ姿となりました。横から見るとやはり建物のようにも見える段の塚穴式。玄室の最大高部分が長めで、海原古墳の玄室と似ている・・・のかな。


2018年11月22日木曜日

兵庫県_丹波市_中野1号墳(Ver1.0)

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※豪快に口を開けている中野1号墳ですが、これは石室奥壁側。この開いている部分が本来の古墳中心部になります。片袖の石室で、天井の高さでは羨道と玄室の差がほとんどなく、見学した丹波市内の石室では少し毛色が異なります。石室全長は確認できるだけでも12m近くあり、かなり細長い石室です。おそらく地権者さんが、杉や竹を整理してくださったようで、全天球写真にも伐採したあとが見られます。おかげで本来の開口部側に回り込むことができ、現状の全体像を掴むことができました。

本来の開口部を3Dスキャンして、継続したまま北西から玄室に入り南東の開口部にデータを繋げるなんてことをしています。墳丘側面を迂回(多少の距離と上下動)してもある程度見れるスキャンデータになるとは。。。。この迂回中の点群も墳丘に繋がるデータかもしれないのですが、Sketchfab上には石室に限定したデータを公開しています。

中野1号墳データ全景
右上が奥壁、左が本来の開口部


2018年11月14日水曜日

島根県_松江市_安部谷古墳群(Ver1.0)

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※野生動物もでるということで、ラジオを付けて見学した安部谷古墳群。そのうちの、横穴墓群の第一群。崖面のかなり上部にある横穴墓群ですが、足場と階段があり山全体を巡るコースの一部になっています。5号墓を除き、しっかりと屋根構造の横穴墓が勢ぞろい。前室?も屋根形状と思しきラインをとっているのが確認できます(1号、4号)。1号墓は岩屋後古墳の石室形状に近く、巨大な石室を作った西出雲とはまた違った文化があったのかなぁと想像させられます。

見学していたら、いろんな方(埋文の方々?)と遭遇しました。

全5基に対する横穴墓内と横穴墓前の高画質全天球が連結され、横穴墓群のストリートビューとしては、破格の出来・・・な気がします。(Thetaを使った長柄横穴群ストリートビューよりデータ量は格段に上)

2018年11月11日日曜日

同じ人たちが造った”かもしれない”石室

二度の奈良見学で撮影したいわゆる”天王山式”横穴式石室の3次元データ。

牧野古墳石室

赤坂天王山古墳

牧野古墳は、大阪市立大学が2010年3月に3次元計測を実施。赤坂天王山古墳は、桜井市と某社(報告書記載)が2006年?に3次元計測を実施。12年前に3次元計測機の運用実験を行った石室を、同列には語れないものの見学者が記念撮影(3次元)するようになるとは・・・。技術の進歩は恐ろしいものです。

さて、今回見学した牧野古墳と赤坂天王山古墳の石室は、報告書にもいくつかの制限は付きつつも”非常に似通っている”と記載されています。平面図や側面図だけではなく、折角の3次元データ。3次元的に似ているのかを、CloudcompareのDistance機能で遊んでみました。互いに相手の石室をリファレンスとして、どの程度距離が離れているかを計算。
(赤>25cm、黄色>15㎝、緑>6cm、6cm>青)
床面の最奥ラインと天井石平面を基準としています。

奥壁側
左:赤坂天王山古墳
右:牧野古墳

前壁側
左:牧野古墳
右:赤坂天王山古墳
奥壁・天井はほぼ緑以上、奥壁向かって左側壁は青や緑が多いものの所々に赤が出現。奥壁むかって右側壁は高さ1mほどまでは青/緑が多いもののそれを超えたあたりから赤が頻出。前壁は、傾斜角が大きく違うので上に行くほど赤。10cm以内に収まっている個所は、玄室全体の46%ほどで、20㎝まで含めて66%。

3次元データにどういう処理をすれば、同一設計、同一の築造集団を見極められるのか。考古学者さんに見解を聞いてみたいものです。


※文中の”報告書”:赤坂天王山古墳群の研究ー測量調査報告書ー

2018年11月7日水曜日

徳島県_美馬市_三島古墳群1号墳(Ver1.0)

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※市役所で場所と道筋を聞いて臨んだのに道を間違えた三島古墳群。舗装道路から沢右側の道ではなく、左側の道を進むのが正解。右側を進むと、沢を渡らなければいけないうえに、急斜面を直登する羽目になります。登りきると現れる1号墳。かなり小型の前方後円墳もしくは長円墳とみられています。その墳丘東西に石室があります。1号石室(西側)の詳細は以前の記事を参照してください。その1号石室より少し大きい2号石室(東)。側壁に大きな石材が使用されていたり、玄室天井の高低差がそれほどでもなかったりと、段の塚穴型としては主張が弱めの石室です。

2018年11月4日日曜日

兵庫県_福崎町_神谷古墳(Ver1.0)

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※あっちのお寺さんにも凄いのがあるよと連れられて伺った神谷古墳。2014年に町指定史跡になったばかり。無袖?天井高で玄室分けする形状で、全長は10m以上全幅が1.4mほど。奥壁上二段の石材は、内傾しています。誰でも入れる石室ではありませんが、墳丘と石棺材も含めて見学できる史跡です。この後、2018年GWに大塚も見学したので、福崎町3大石室?を周ったことになります。

年末の忙しい時期に対応してくださったお寺の皆さん、学芸員さんありがとうございました。

2018年10月30日火曜日

奈良県_橿原市_小谷古墳(Ver1.0)

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注意!!
小谷古墳は施錠管理されており、通常石室内の見学はできません。橿原市や近隣博物館が開催される見学ツアーなどにご参加ください。

※石材が完全には平滑ではなく、ややふっくら?している小谷古墳。謎の埋まり方をしている石棺や墳丘が流出し露出している石室石材など、見どころはいっぱいあるのですが、如何せん見学者を常時入れるとなると危険な印象を受けます(近隣の古墳と比べると・・・ですが)。玄室規模でいえば僅かながら岩屋山古墳より大きいサイズ。近くの菖蒲池古墳も含めて、岩屋山式といわれる3基の古墳を見比べてみると玄室高や幅はそれほど大きな違いは見られません。他の岩屋山式と呼ばれる古墳も見学してみたいものです。

ZenfoneARで石棺を入念にスキャンしようとすると、どうしても誤差が累積してしまい石室データ事態が破綻してしまうことがあります。石室メインのデータと石棺メインのデータを別々に撮って、のち結合が良いかも。(ということを出雲に行った時にも思ったような)

2018年10月27日土曜日

徳島県_美馬市_北原古墳(Ver1.0)

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※奥壁垂直高さと天井高さの比・・・のような指標があるのなら、段の塚穴型の中でも最も比率の高い石室になりそうな北原古墳。側面から見ると7枚の石材で奥壁から前壁を構成しています。前日の天候のせいか、石室を構成している緑泥片岩の青が映え、側壁とのコントラストが見事です。

水田の中に所在するため、農閑期でなければ石室内の見学は難しい状況です。

2018年10月20日土曜日

あなたの街の文化財。勝手に3次元計測されたらどうしますか?

問題:
あなたは、X市文化財課に所属しています。ある日、インターネット上で市内史跡の点群データが公開されていることに気が付きました。課長に相談したところ、”申請を行っていない3次元計測と公開は認められない。削除してもらうように。”と指示がありました。インターネット上の点群データ公開を差し止めるため、行える手段を列挙しなさい。

前提条件 (/で区切られた条件のどちらを選んでもよい)
 〇史跡
  パブリックドメインである
  自治体所有地/私有地
  立ち入りが制限されていない/制限されている

 〇作成者
  海外在住/国内在住
  立ち入りが自由なエリア/立ち入り禁止エリアから3次元計測を行っている。
  
 〇3次元データサービスプロバイダー
   海外/国内

あなたなら、どう回答しますか?

面白い前提条件があればぜひ!!


(自身の見学申請なかでも、最も厳格な手順を踏んだ古墳の一つ)

2018年10月14日日曜日

島根県_松江市_岩屋後古墳(Ver1.0)

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※当初、訪問する予定のなかった岩屋後古墳。見学OKらしいという情報を聞いての急遽見学です。大きな石材で構成された石室ではあるのですが、天井の屋根形状など石棺の要素も見て取れます。直前に安部谷古墳(横穴墓)を見学していますが、玄室に限るならばそれほど形状およびサイズに差はなく、出雲側の大型横穴式石室とは違った景色を見せてくれます。

3次元化については、一発撮りでしたが天井石の上面も含めてそこそこ綺麗にできた感じ。残念ながら、全天球は失敗してしまいました。急がば周れですね~。

2018年10月7日日曜日

徳島県_美馬市_平野古墳(Ver1.0)

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※徳島道の北側竹藪にある平野古墳。開口部が小さく竹藪ということもあって見つけるのに難儀しました。現状は、玄室へ降りていくような形状になっていますが、羨道天井面は水平です。玄室最高も随分奥壁寄りに位置し、見学した段の塚穴の中では少々異質です。大國魂古墳と空間形状・サイズは近いので、古い部類に入るのかも(発掘調査は行われていないので未確定)。

2018年10月3日水曜日

大阪府_東大阪市_山畑古墳群2号墳(Ver1.0)

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※生駒山地の大阪側。緑と住宅地の境目といえる場所にある山畑古墳群。その中に府下最大級の横穴式石室を持つ山畑2号墳があります。全長16.6mは奈良県の大型石室群と並べても遜色ないのですが、玄室の高さや羨道の曲がり、石材の隙間など少し古さを感じさせます。墳丘は、発掘調査で確定している状態ではではないものの上円下方墳。中遠距離のLidarがあったら墳丘を3次元化してみたい場所です。

古墳のシーズンは冬季を推奨されますが、この山畑古墳群を訪れたのは7月中旬。西日本豪雨のすぐあとでもあり、石室内10cmほどのところに水がたまった跡が残っています。防虫繊維のFoxFireで固めたせいもあり?、蚊やマダニに襲われることはありませんでした。しかし、7月の熱波の影響で人も機械も休み休みの活動になります。改めて、向かない季節を実感しました。

2018年9月26日水曜日

鬼の俎と鬼の雪隠。合体すると、鬼の”まなちん”。

俎(まな板)と雪隠(トイレ)の結合に、衛生上の懸念を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが・・・

くっつけちゃいました。



鬼の俎と鬼の雪隠と呼ばれる巨石遺構。二つ合わせると優美な横口式石槨になると現地説明版に記載がありましたが、結合させようとするとそう上手く繋がらないことが分かります。
・奥壁が欠落(雪隠側の石材欠落?)
・西側側壁が俎より大きく張り出す(雪隠側が未加工?俎に沿った加工痕がある)
・微妙に石槨入り口が合致しない(そもそも別の組み合わせがある?)
雑に連結するだけでも、想像がひろがります。
注意:当然計測誤差もあります。

〇〇古墳の石室に使用されていたと伝わる石材を、残存する石室に組み合わせてみる。
伝〇〇古墳出土の石棺材をすべて集めて、一つの石棺にする。
3次元データにすることで容易に行え、もしかすると新しい知見につながる。そんなことが、観光客?でもできるなんて時代になったんですね~。




2018年9月15日土曜日

熊本県_南関町_八角目古墳群1号墳(Ver1.0)

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※八角目古墳群の中では、一番新しいとされている1号墳。高さへの情熱を失ってしまったせいか、玄室より少し小さいサイズの平天井。その天井とそれほど隙間のない位置に、石棚。棚下面と玄門下面は、同一の高さで天井を棚分下げてもちょうど収まりそう。棚をつくる何らかの意図が働いたんでしょうが・・・3Dスキャンしづらい。一脚にリグ+ZenfoneARを取り付け、少し伸ばすことで何とかスキャンできています。

この1号墳石室と2号墳には、計測した後らしい白い十字が残っています。3号墳にはその印がないため、計測当時に機材の取り回しができたサイズ(特に開口部)がこのくらいだったのかもしれません。

2018年9月10日月曜日

岐阜県_土岐市_乙塚古墳(Ver1.0)

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※墳丘外周柵と石室入り口柵と文化プラザの三角コーンに3重に守られている乙塚古墳。玄室入り口側の天井石にひびが入っていて、通常は立ち入れません。(土岐市への確認・調整が必要)奥壁に向かって幅が狭まっていて、特に天井は顕著に狭まっています。側壁の目地が奥壁に向かって収束しているように見えます。羨道からの見栄えを気にしたんでしょうか。

Photoscan用の写真が撮影できている石室も残りわずか。手軽さや現地確認では圧倒的なZenfoenAR+Rtabmapですが、やはりテクスチャの綺麗さでは段違いです。この乙塚古墳では、柵の前後で連結せず、別々のモデルを作成して何となく繋いでいます。

2018年9月6日木曜日

徳島県_吉野川市_金勝寺古墳(Ver1.0)

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※墓地の中に所在する金勝寺古墳。玄室天井の石材が抜かれていますが、他の天井や側面は破損しておらず、しっかり残っています。近くの境谷古墳と比べると、玄室角の丸みは強くなく、また天井も随分と重なり合っている部分が少なくなっています。あちらより新しいのでしょうか。

この古墳の見学について、”石室内に立ち入らないこと”という条件が付いています。3Dスキャンは玄室側天井からスキャンした後に、スキャンを継続しながら羨道側開口部へ移動。羨道側開口部からスキャンして、石室の全体像が出来上がるという技?を使っています。(墓石などのデータは削除)石室内の全天球は、一脚の先にThetaSを接続して中央まで入れて撮影。見えて居る範疇が広ければこのくらいはできるという査証になりました。

2018年9月2日日曜日

岐阜県_池田町_願成寺西墳之越古墳群1号墳(Ver1.0)


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※5月の大型連休中に訪れたため、バーベキューの匂いが凄かった古墳として記憶された願成寺西墳之越古墳群1号墳。玄室幅と高さが1:2くらいで、細長く高い石室に見えます。2号墳ほどではないものの、1か所コンクリート補強されているように見えました。家族ずれのキャンプ場に近く、子供さんがまれに見学・・・ではなく”奥壁タッチ”というプチ肝試してきなことをして楽しんでいました。匍匐前進が必要な”奥壁タッチ”をする人には、ならないだろうなぁ。

墳丘を含めた全天球を作成したので、石室から出ると墳丘を周囲見学できます。草ぼうぼうですが。



2018年8月28日火曜日

3Dスキャナ付きスマートフォンの系譜は今

予想外のところに受け継がれました。

OPPO R17Proのウェブページ
https://www.oppo.com/cn/product/r17pro/index.html
(本体のウェブページなので中国語)

数字上、内臓メモリ・ストレージ共にZenfoneAR同等。
SoCは、Qualcomm Snapdragon 710。
ベンチマークから想像すると何となく一世代前の上位CPUくらいの性能と、ミドルよりは少し良いけれど最上位には届かないGPUというもの。とはいえ、ZenfoneARの821と比べるとそれほど差はなさそう。
(バトルロイヤルもののゲームが快適プレイできることを売りにしている?)

あとは、3Dスキャン機能を使用する際のアプリやAPI 開発環境はどうなるのか。無理やりTangoを積んでて、Rtab-Mapが動くなんてことなら、布教用に2台くらい買っちゃうんですけどね~
OPPO Japanさん国内販売ご検討ください。

スマートフォンの新製品といえば避けて通れないiPhone。9月初旬が発表の時期ですが、
8月初旬からアメリカから3Dスキャンに関連するワードでアクセスが妙に増えています。ここ三年くらいDepthSensorが載るといわれ続けて、いざ載ったと思ったらフロント。今年リアへの搭載を予想するサイトがありますが、さてどうなりますか。

2018年8月25日土曜日

2030年の文化財VRやARはどんなもの?

ワード”馬越長火塚古墳”でのアクセスが増えてるなぁとおもったら、こういうことでしたか。

国史跡 馬越長火塚古墳群保存活用計画を策定しました
http://www.toyohashi-bihaku.jp/?p=9090

法律の改正などもあり、文化財の活用について自治体の動きが活発になっているようです。
文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律等について
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/1402097.html

ここ2年くらいで、文化財についてもVRやARといったコンテンツが増えてはきましたが、どうにもヒットしている感じがありません。むしろ、擬人化されたコンテンツからの流入のほうが結果を出しています(ゲームで文化財を知る→資料館に行くなど)。自身の3次元モデルや全天球でも、VRもしくはそれに準じることはできますが、その用途に使用されたという噂も聞きません。自分が文化財のどういったコンテンツにアクセスしに行ったかを振り返ってみても、VRやARは何度も見返すということは少ないです。資料化されているデータや所在地の一覧などが多い印象です。VRやARという媒体は、史跡などと相性が悪いんでしょうか。


さて、前述の馬越長火塚古墳群保存活用計画ですが、AR/QRコードの整備観察が2030年とあります。アニメのARでいえば、電脳コイル(劇中202X年)・ソードアートオンライン(劇中2026年)など、現実と仮想が見分けがつかなくなっている時期。どんなコンテンツを豊橋市が考えているのか非常に興味があります。


雑なVRならすでにありますよ?

2018年8月23日木曜日

島根県_松江市_朝酌小学校校庭古墳(Ver1.0)

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※小学校は移転しているけれど、校庭古墳。開口部に対して、石室長辺は直角。羨道も含めれば、平面プランはT字型?。さらに入って右側には、一段高くなったような場所があります。いわゆる石棺式石室という形状ですが、岩屋後古墳とは違い天井面は平型です。その地域でとくに顕著に出現する形状はやはり面白ですね。

会社敷地?に描かれているキャラクターが危険。

2018年8月20日月曜日

徳島県_美馬市_太鼓塚古墳(Ver2.0)

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この3Dモデルは、非常にデータサイズが大きいため固定回線かつPCでの閲覧を推奨します。



※段の塚穴形式最大の石室を持つ太鼓塚古墳。初めて伺った時の3Dスキャンがあまり芳しくない結果に終わっていた上に、当時は初代Thetaの全天球。その後、高画質全天球を撮るためだけに1回。そして、このZenfoneARでの3Dスキャンで1回と、ここ数年で合計3回も訪れた古墳です。今回の点群データはずいぶんと綺麗に取れました。従来の側壁図面では分かりずらい、板状石材をドーム状に懸架している形状もかなり明瞭。真横からみた点群データは、天守閣のようにも見え面白いです。

2018年8月18日土曜日

見学者がOutputを出すための手法を学べる場かもしれない

古墳の講演会といえば、壇上で話者がスライドを指し示しながら研究している内容を発表する場所。なかなか、スライドに使われているデータ(墳丘/石室の測量図等)がどうやって測られているか、どういったルールで作成されているかなかなか知るすべはありません。
本気であれば、大学で研究・学芸員を目指すというのが本筋ではあるのでしょう。多くの考古ファンの見学という趣味の力を”考古”に寄せるというのも、一つの手ではないでしょうか。

そういった”市民考古”の向上につながりそうな研究会があります。

第3回文化財方法論研究会

地中探査やドローンからのLidar、そして写真測量と、既存の記録手法が劇的に変わり始めています。それらの手法は、考古や測量といった専門の分野の技術がなくても、進化した機材やソフトウェアによって”考古っぽい”ことが、”安価”にできようになっています。

古墳見学者の皆さん。自身があると面白いと思う、位置情報と写真以外の”なにか”を足してみませんか?意外と簡単かもしれませんよ。

臼塚古墳の石甲3次元データをMinecraftで使用できるデータへ変換したもの

2018年8月15日水曜日

茨城県_日立市_十王前横穴墓群(Ver1.0)


JuomaeYokoanabogun_Ibaraki_jp(Ver1.0) by nonaka on Sketchfab

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この3Dモデルは、非常にデータサイズが大きいため固定回線かつPCでの閲覧を推奨します。

・11号墓


※あまりにも見どころが多すぎて、群で紹介すべきか個別に紹介すべきか悩んだ十王前横穴墓群。当日は、日立市職員・かんぶり穴を守る会・森林ボランティアと多くの方々にご助力いただきながら、現在開口しているほぼ全墓を見学することができました。これだけ大型の横穴墓が集中しているのも珍しいですが、さらには装飾古墳もあります。大型と小型のサイズ差が明瞭で、大型のものにも平天井とかまぼこ型が併存します。規模や形状から階層や属するグループなど想像が膨らみます。

これら横穴墓の入り口には苗字が書いてあるものが多数あります。日立市は戦争中爆撃に加え艦砲射撃も受けた地域なので、防空壕や生活の場として使用する家族の苗字を書いたのではないかというお話がありました。


9号墓から22号墓までの通路スキャン。14号前から1号前までの通路スキャン。各横穴墓のスキャンを手動連結して全体モデルを作成。rtabmapが起動時に水平を検出するため、二軸の整合だけを考えればよいので、ずいぶんそれらしいモデルになりました。スキャンにかけた時間は約2時間。なお、県史の計測データや略測図とは、ずいぶんと差があります。

・14号墓

・1号墓

2018年8月13日月曜日

福井県_小浜市_加茂南古墳(Ver1.0)

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※小浜市を訪れたのは、オバマ大統領就任時の小浜市ブーム?以来。古墳目当てで、訪れてみると草刈りの真っ最中。加茂南古墳までの見学路が綺麗になっていました。草刈り中のおじさんも連れて入室。入り口はそこそこ狭いものの、中はかなりの大きさです。”入り口せまくなったかなー”と仰ってました。県HPの写真と比べてみると確かに狭くなっているのが確認できます。さらに、点群データからは、羨道1石目の平滑面が斜めになっている様子が・・・ 

朝方まで雨が降っていたところに入室したので、ずいぶんと石材がキラキラしています。そのせいか、玄室内にもごみ点群データができています。

2018年8月11日土曜日

徳島県_美馬市_野村八幡古墳(Ver1.0)

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この3Dモデルは、非常にデータサイズが大きいため固定回線かつPCでの閲覧を推奨します。



※段の塚穴型石室の規模で二番手グループにある野村八幡古墳。神社の敷地内に所在することもあってか、内部も綺麗で見学がしやすいです。入り口にある二石は羨道の天井石でしょうか。石室内部は、太鼓塚古墳や棚塚古墳とは違い側壁を砂岩で構築しています。美馬市の高校生が、段ノ塚穴型石室における結晶片岩の使用に関する考察という表題で発表していました。こういう発表に、3Dモデルや全天球写真使ってもらえるといいなぁ~

2018年8月5日日曜日

福岡県_みやこ町_橘塚古墳(Ver1.0)

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※小学校と保育所に挟まれた位置にある橘塚古墳。前後室+羨道を持ち、近くの綾塚古墳と共にみやこ町最大級の石室です。特に羨道の天井高は、玄室同じくらいの高さになります。外光の影響もあり、羨道天井石の側面が記録できていないのはそういう理由です。

羨道の石材に”福”の文字があります。


2018年8月2日木曜日

兵庫県_福崎町_妙徳山古墳(Ver1.0)

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※神積寺の敷地内にある妙徳山古墳。大きい石室とは聞いていましたが、確かに町史跡クラスの大きさではないですね・・・さすが兵庫県?。羨道もかなり高く、玄室床面を基準とすると、高さ2.4mほどあることになります。開口部から玄室へが、スロープ状になっているので、枯葉が多い時期や雨の後は注意が必要です。

石室にも増して驚いたのは、住職さんのVR知識がすごかったこと。お話を聞いているうちに、比叡山の動画に携われた方と分かりました。自治体の文化財課以外の方で、あそこまでの興味を持たれたのは初めてです。


2018年7月28日土曜日

Trace of Grave Series!?横穴式石室プラモ化?

SkechfabのサムネイルがGifアニメになって回転できるようになりました。
何かに似ているなぁと記憶をたどってみると・・・・


 

艦船のプラモデルでした。
動画の護衛艦ひゅうがで、全長197m 全幅33m。
1/10にして、全長19.7m最大幅3.3mだと、何となく横穴石室計測データ感が出てきます

もし、横穴式石室のプラモをつくるとして、スケールは?

〇国内最大級の丸山古墳(橿原市)の石室 全長28.4m/最大幅4.1m/高さ4.5mが、
 1/25スケール 全長113.6㎝/最大幅16.4cm/高さ18cm
 1/50スケール 全長56.8㎝/最大幅8.2cm/高さ9cm
 1/100スケール 全長28.4cm/最大幅4.1cm/高さ4.5cm

〇地域最大級の石室(仮定) 全長13.0m/最大幅3.0m/高さ3.5mが、
 1/25スケール 全長52.0㎝/最大幅12.0cm/高さ14cm
 1/50スケール 全長26.0㎝/最大幅6.0cm/高さ7cm
 1/100スケール 全長13.0cm/最大幅3.0cm/高さ3.5cm

〇最小級の横穴墓(仮定) 全長2m/最大幅1.5m/高さ1mが、
 1/25スケール 全長8㎝/最大幅6cm/高さ4cm
 1/50スケール 全長4㎝/最大幅3cm/高さ2cm
 1/100スケール 全長2cm/最大幅1.5cm/高さ1cm

丸山古墳は別格として、気軽に見学できる石舞台古墳石室全長18.7mを1/50にすると37.4㎝。これは、ウォーターラインシリーズ1/700 戦艦大和の全長37.5㎝に近い値。地域最大級といわれる石室が、全長おおむね35㎝~25㎝。大多数の石室が十数㎝に。石棺式石室や最小クラスの横穴墓も工作可能な範疇?

最大幅や最大高に必要な石材の厚さはよほどでなければデータがないはず。側壁や天井石を維持できる厚さがあればよいので、それぞれのデータに+1cm×2といったところ。

石室内部の見せ方は、プラモ作成者の力量。玄室片側壁抜き・天井石抜き・主軸カット(奥壁・天井・平面のカットパーツ付き?)資料館学芸員さんの苦労がしのばれます。



妄想をつらつらと書き連ねてみましたが、数が出るものではないし市販品としてこのようなものが発売された記録はありません。なので、あえて50セット限定で文化財活用ふるさと納税返礼品で出してみるのも、ネタになるのも含めて面白いのかも知れません。

2018年7月25日水曜日

茨城県_常陸太田市_幡バッケ横穴墓群6号墓(Ver1.0)

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※横穴墓のサイズ感覚がだんだん狂ってくる茨城県北部。常陸太田市幡バッケ横穴墓群の6号墓も大型横穴墓の一つです。大きさもさるものながら、ほかにもいろいろな面白い構造が残っています。石槨に見紛えそうになる奥壁側壁天井が隣接している線の掘り込み。横穴墓を全周し、玄門下まで続く排水システム?。玄室内を3つに分ける3段構造。そして線刻と、1基でも十分楽しめる横穴墓です。(現在、エリア入り口に柵が設けてあります。常陸太田市に問い合わせたうえ、見学してください。)

実は全天球に、見慣れぬ機材が写っています。。。

2018年7月22日日曜日

徳島県_美馬市_大國魂古墳(Ver1.0)

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※段の塚穴型の石室としては、古式のものと言われている大國魂古墳。神社側からみると墳丘がえぐれているようにも見えますが、南側に回るとわずかに石室が開口しています。近隣の類似規模石室(平野古墳、国友古墳、三島二号墳)と比べると、石材が片岩と砂岩が混在。国友古墳、三島二号墳では天井石を支えるために張り出すような片岩がありますが、大國魂にはそれがないためすっきりして見えます。

2018年7月17日火曜日

自治体がSkechfabアカウントで発信している!


個人の趣味によるSketchfabのアカウントはありました。
研究者のデータ共有のためのSketchfabのアカウントもありました。
会社は、技術アピールにSketchfabのアカウントを使っていました。

そして、自治体がSketchfabのアカウントを持つ時代が来ました!!

以下は、東大阪市のSketchfabアカウントから。






これだけでも十分すごいことですが、
・3次元データを利用した史跡の解説動画がある
 (しかも、Oculus Riftを利用したVR見学を昨年実施している)
・DL可能な文化財データがある
・3次元データの運用ポリシーが規定されている
などなど・・・県レベルの資料館でもやっていないようなことまで。


こういう取り組みが広がって、自治体も研究者も趣味の人も相互に影響しあえるといいなぁ。

2018年7月9日月曜日

長野県_飯田市_御猿堂古墳(Ver1.0L)

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※県指定から国指定に昇格した飯田古墳群の一基、御猿堂古墳。無袖の短室に見えますが、全長は13mと侮れない大きさです。飯田の無袖石室の系譜なのかもしれませんが、入り口付近に一段天井石が下がる部分があり玄室と羨道を区別していると考えられています。奥壁にチョークで骸骨の落書きがあります・・・。

StructureSensor+roomcaptureで3次元計測しているデータも残りわずか。狭い開口部には気を付けていたものの、結合できるデータが取得できていませんでした。推定で結合するよりは・・・ということで開口部外側のデータは結合していません。またいつかZenfoneARで見学しなおしかな。

2018年7月2日月曜日

熊本県_南関町_八角目古墳群3号墳(Ver1.0)

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※大牟田市との境目あたりにある八角目古墳群。そのなかでも一番開口部が狭い3号墳です。くり抜き玄門がじっくり眺められる内側から見るとそう狭く見えませんが、後室床面より50cmくらい埋まっていることや閉塞石?が地面から突き出しているため体形によっては引っ掛かります。なんかんトッパ丸すると、あとは問題なく移動できるはずです。

閉塞石を超える際に、ヨイショといった感じで勢いをつけてたせいもあり、石室内部のごみデータが多い傾向に。

2018年6月20日水曜日

徳島県_美馬市_荒川古墳(Ver1.0)

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この3Dモデルは、非常にデータサイズが大きいため固定回線かつPCでの閲覧を推奨します。



※細長い羨道、あまり記憶にない玄室空間形状・石棚と、いろいろと面白い美馬市荒川古墳。羨道途中にある門のような構造は、対岸の三島古墳群2号墳にも見られます。門?を超えると段の塚穴型形状を構成する1枚目の石材となるので、ここからが玄室のイメージだったのかも。

玄室入り口付近の軍手は、見学者のものかな?(他の方の00年代写真には、見当たらないため)

ZenfoneAR+RtabMapで計測した中で、羨道の狭さ*長さでトップクラスの石室。直射日光原因以外では初めて、3Dスキャン途中でデータが破綻しました。(移動前と移動後に同じ個所をスキャンしても、同じ場所と認識しない)。狭い羨道を早く抜け出そうとして、ZenfoneARを早く動かしすぎたのが要因そうです。


2018年6月17日日曜日

床面の違いが判る?撮影者違いのインターバル全天球撮影

上:2015年12月26日 朝8:30ごろの兵庫県たつの市姥塚古墳玄室
下:2018年3月の兵庫県たつの市姥塚古墳玄室

なんと、撮影者違いで古墳玄室の2年越しインターバル撮影が実現!
 Kengo Shimizu様が撮影された5000万画素の全天球写真は、結合漏れもなく床面までばっちり撮影。(兵庫県はTheta発売以前から、一眼カメラ?を使用した全天球撮影者が何人かいらっしゃるようです。)







おそらく壁面から等位置を考えるので、おおむね同じような位置からの撮影となっています。

熊本地震を経た二軒小屋古墳の破損状況を、全天球写真からチェックしたことがありました。壊れたところではなく、床面に見慣れぬ石材が転がっているかが破損個所発見のキーになりました。ただ、ThetaやThetaSでは解像度や暗所での撮影がそれほど得意ではないので、見落としはあると思います。

その点、このおそらくデジイチを使用した撮影では、十分な解像度を備えています。これなら、わずかな石の動きも観察できますね。

でも2年間あったわりには、石動いていませんね。げじげじが多いのであまり玄室の中で動きまわって見学する人も少ないのかも。

2018年6月14日木曜日

島根県_出雲市_今市大念寺古墳(Ver1.0)

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※出雲市の町中にある前方後円墳、今市大念寺古墳。お寺の墓地に石室入り口が開いています。大型玄室の体積おおよそ1/4を占める石棺は、横穴墓を丸ごと内包できるほどの大きさ。奥壁の石材も超大型なのに、注目ポイントを石棺に持っていかれる石室です。

内部も見れる石棺にRtabmapで突入(事前に、総社愛宕山古墳で練習)。石棺の外側と内側を3Dスキャンすることで、どのくらいの石材の厚さがあるのかがわかります。勝手な思い込みでシンメトリーに作られているのかと思いきや、ずいぶんと奥側に広くなっています。

右が石室開口部

これも、小さいところに突っ込めるZenfoneARと3次元計測が継続取得できるRtabmapゆえの面白技かな。

2018年6月10日日曜日

茨城県_常陸大宮市_八田雷神山横穴墓群(Ver1.0)

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※常陸大宮市の水郡線脇にある八田雷神山横穴墓群。サイズ・形状ともに他とは異なる横穴墓が1段上にあり、残り4基が仲良く1列に並んでいます。上段の玄室は、あまり見かけたことの無い床面円形天井ドーム型。近い形状は、いわき市の中田横穴墓などでしょうか。天井に掘られた”八田”が妙に主張している横穴です。下の横穴墓も玄室と羨道が同じサイズで、まるで蓮根のよう。

この横穴墓群は近くまで車で乗り付けられますが、そこから急斜面。階段は作られているものの、濡れていたり落ち葉が積もっていたりすると非常に危険なのでご注意ください。

2018年6月3日日曜日

横穴墓からわかる地震

横穴墓を見学していると、古代の人々は自然の造形を自分の墓に取り込んでいるんじゃないかと、思うことがあります。地層がまるで星々の軌跡のように見える八田雷神山横穴群。わざわざ玄室天井に貝塚層が来るように設計しているようにも見える崎浜横穴群。

そんな自然取り込み横穴?の中でも、神奈川県三浦市にある切妻造妻入形横穴古墳(白山神社古墳)は、断層が横穴の一部になっているという特異なものです。下の画像は、横穴墓の側面オルソ。


側面に最低3本の断層がみえます。天井や奥壁にも同様の断層が見つけることができ、非常に複雑な地殻変動のあった地域なんだなぁと感嘆させられます。軽く調べてみると、初声層と呼ばれる400~300万年前の地層とのこと(三崎層?)。断層で区切られた白い層のみに、彩色が残っていたりと、古代の人には装飾の一部として扱っていたのかもしれません。

3次元モデルから、いくつの断層を見つけることができますか?



一般に2次元でしか露出していない断層を、3次元で見れる珍しい例・・・だったらいいなぁ。

2018年5月30日水曜日

兵庫県_朝来市_春日古墳(Ver1.0)

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※出土遺物(馬具と大刀)は県指定なのに、墳丘・石室は指定史跡ではない春日古墳。林の中に入るとすぐに、背の高い墳丘が見えます。が、獣害防止柵が行く手を阻みます。私は、西南側からアプローチしましたが、林道に入るところ・小さな社に入るところで二度、柵を開閉することになります。南東からアプローチしてもおそらく同じでしょう。
羨道に少し土砂がありますが、細長い立派な石室が残存しています。羨道の天井高さと玄室の床面レベルで見てみると、長い羨道というより前室のような側面になります。

サイズや図面がみつからないので、ざっくりの計測データを。
石室全長:8.6m(奥壁向かって右側の羨道残石から奥壁)
玄室全長:3.6m(袖から奥壁)
玄室幅最大:1.55m~1.6m(奥壁付近)
玄室高:1.9m(奥壁付近)

それにしても獣害防止柵の頑丈そうなこと&長大なこと。獣害の被害が、看過できない問題なのだと実感しました。



2018年5月16日水曜日

神奈川県_三浦市_切妻造妻入形横穴古墳(Ver1.0)

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※三浦半島にある優美な横穴墓”切妻造妻入形横穴古墳”。形状を現した名称よりは、菊名白山神社横穴墓とかのほうがよさそうです。非常に大型の横穴で玄室全長は5mを超えます。梁の浮彫、彩色(一部に赤色が残る)に加え、地層・断層という自然の造形美まで加える房総の横穴群にも負けない1基です。社殿を挟んで東側にも、小型ながら横穴墓があったと神主さんから伺いました。また、西側の法昌寺裏の墓地にも、やぐら(横穴墓改造?)があるので、横穴群を構成していたものと想像できます。他にも、横穴らしき穴はあるのですが・・・近隣には防空壕やトーチカも多いので素人には判断つきかねます。

注意:内部の見学には、神主さんの許可が必要です。

サイズや図面がみつからないので、ざっくりの計測データを。
横穴墓全長:6.2m(天井あり開口部付近から奥壁)
玄室全長:5.3m(袖から奥壁)
玄室幅最大:3.8m(奥壁付近)
玄室幅最小:2.6m(袖部分)
玄室高:1.8m(中心軸奥壁付近)

3次元で見ると、思ったより角ばった屋根形状をしていません。



2018年5月3日木曜日

島根県_出雲市_上塩治地蔵山古墳(Ver1.0)

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※なかなか行く機会のなかった山陰側の古墳に、ようやくチャレンジ。最低限の機材を持って、出雲市や松江市の比較的有名どころを見学してみました。特に出雲市の国指定石室3基は、自転車でも周れる距離にあります。

さて、そのうちの1基。上塩治地蔵山古墳。今回見学した中では、最も栃木一部地域の石室に似ています。ですが、奥室には石棺と共に作り付け棺座まであり、埋葬施設が複数ある九州の石室や横穴墓を思わせます。資料の側面図だけ見ると似ているけれど、よく見ると違う特徴を持っている。近隣ではなく、数百㎞離れたところにそれがあるのが非常に面白いです。

2018年4月23日月曜日

徳島県_阿波市_岩屋古墳(Ver1.0)

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※段の塚穴型が構築された地域への移動中にも何箇所かの古墳に立ち寄り。そのうちの一つ、阿波市岩屋古墳。現代のお墓の中に玄室部分が残っています。入り口付近で僅かながら下がっていて、無袖・・・天井で玄室を表現するような石室だったんでしょうか。阿波市からも”原形をとどめているとは言いがたい状態”と伺っています。