注意事項と3次元データの共有について

〇注意事項

3次元データのサイズによっては、高額な通信費用が発生します。Wi-Fi接続状態のスマートフォンまたは定額回線でのPCブラウザでの閲覧を推奨します。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを使用してみたい方へ

古墳や横穴式石室/横穴墓の3次元計測を行った記事は見つかるものの、取得データ自体に殆どアクセスできない3次元データ。レーザーやSfM/MVSと比べ粗いデータではありますが、使用してみたいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください。ただし、管理者/自治体との契約により、利活用が制限されている場合があります。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを引き継ぎたい方へ

個人の3次元データではありますが、複数の要因で立入ができなくなった横穴式石室/横穴墓が多くあります。今後、個人でのデータ管理が行えなくなる/デジタル遺品化することを考慮し、データ相続先の研究者さん団体さんを緩く募集します。

記事への秘匿コメント、Sketchfabアカウントへのメッセージ、ストリートビューの公開アカウントなどお好きな手順でご連絡ください。





2018年8月28日火曜日

3Dスキャナ付きスマートフォンの系譜は今

予想外のところに受け継がれました。

OPPO R17Proのウェブページ
https://www.oppo.com/cn/product/r17pro/index.html
(本体のウェブページなので中国語)

数字上、内臓メモリ・ストレージ共にZenfoneAR同等。
SoCは、Qualcomm Snapdragon 710。
ベンチマークから想像すると何となく一世代前の上位CPUくらいの性能と、ミドルよりは少し良いけれど最上位には届かないGPUというもの。とはいえ、ZenfoneARの821と比べるとそれほど差はなさそう。
(バトルロイヤルもののゲームが快適プレイできることを売りにしている?)

あとは、3Dスキャン機能を使用する際のアプリやAPI 開発環境はどうなるのか。無理やりTangoを積んでて、Rtab-Mapが動くなんてことなら、布教用に2台くらい買っちゃうんですけどね~
OPPO Japanさん国内販売ご検討ください。

スマートフォンの新製品といえば避けて通れないiPhone。9月初旬が発表の時期ですが、
8月初旬からアメリカから3Dスキャンに関連するワードでアクセスが妙に増えています。ここ三年くらいDepthSensorが載るといわれ続けて、いざ載ったと思ったらフロント。今年リアへの搭載を予想するサイトがありますが、さてどうなりますか。

2018年8月25日土曜日

2030年の文化財VRやARはどんなもの?

ワード”馬越長火塚古墳”でのアクセスが増えてるなぁとおもったら、こういうことでしたか。

国史跡 馬越長火塚古墳群保存活用計画を策定しました
http://www.toyohashi-bihaku.jp/?p=9090

法律の改正などもあり、文化財の活用について自治体の動きが活発になっているようです。
文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律等について
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/1402097.html

ここ2年くらいで、文化財についてもVRやARといったコンテンツが増えてはきましたが、どうにもヒットしている感じがありません。むしろ、擬人化されたコンテンツからの流入のほうが結果を出しています(ゲームで文化財を知る→資料館に行くなど)。自身の3次元モデルや全天球でも、VRもしくはそれに準じることはできますが、その用途に使用されたという噂も聞きません。自分が文化財のどういったコンテンツにアクセスしに行ったかを振り返ってみても、VRやARは何度も見返すということは少ないです。資料化されているデータや所在地の一覧などが多い印象です。VRやARという媒体は、史跡などと相性が悪いんでしょうか。


さて、前述の馬越長火塚古墳群保存活用計画ですが、AR/QRコードの整備観察が2030年とあります。アニメのARでいえば、電脳コイル(劇中202X年)・ソードアートオンライン(劇中2026年)など、現実と仮想が見分けがつかなくなっている時期。どんなコンテンツを豊橋市が考えているのか非常に興味があります。


雑なVRならすでにありますよ?

2018年8月23日木曜日

島根県_松江市_朝酌小学校校庭古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※小学校は移転しているけれど、校庭古墳。開口部に対して、石室長辺は直角。羨道も含めれば、平面プランはT字型?。さらに入って右側には、一段高くなったような場所があります。いわゆる石棺式石室という形状ですが、岩屋後古墳とは違い天井面は平型です。その地域でとくに顕著に出現する形状はやはり面白ですね。

会社敷地?に描かれているキャラクターが危険。

2018年8月20日月曜日

徳島県_美馬市_太鼓塚古墳(Ver2.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。
この3Dモデルは、非常にデータサイズが大きいため固定回線かつPCでの閲覧を推奨します。



※段の塚穴形式最大の石室を持つ太鼓塚古墳。初めて伺った時の3Dスキャンがあまり芳しくない結果に終わっていた上に、当時は初代Thetaの全天球。その後、高画質全天球を撮るためだけに1回。そして、このZenfoneARでの3Dスキャンで1回と、ここ数年で合計3回も訪れた古墳です。今回の点群データはずいぶんと綺麗に取れました。従来の側壁図面では分かりずらい、板状石材をドーム状に懸架している形状もかなり明瞭。真横からみた点群データは、天守閣のようにも見え面白いです。

2018年8月18日土曜日

見学者がOutputを出すための手法を学べる場かもしれない

古墳の講演会といえば、壇上で話者がスライドを指し示しながら研究している内容を発表する場所。なかなか、スライドに使われているデータ(墳丘/石室の測量図等)がどうやって測られているか、どういったルールで作成されているかなかなか知るすべはありません。
本気であれば、大学で研究・学芸員を目指すというのが本筋ではあるのでしょう。多くの考古ファンの見学という趣味の力を”考古”に寄せるというのも、一つの手ではないでしょうか。

そういった”市民考古”の向上につながりそうな研究会があります。

第3回文化財方法論研究会

地中探査やドローンからのLidar、そして写真測量と、既存の記録手法が劇的に変わり始めています。それらの手法は、考古や測量といった専門の分野の技術がなくても、進化した機材やソフトウェアによって”考古っぽい”ことが、”安価”にできようになっています。

古墳見学者の皆さん。自身があると面白いと思う、位置情報と写真以外の”なにか”を足してみませんか?意外と簡単かもしれませんよ。

臼塚古墳の石甲3次元データをMinecraftで使用できるデータへ変換したもの

2018年8月15日水曜日

茨城県_日立市_十王前横穴墓群(Ver1.0)


JuomaeYokoanabogun_Ibaraki_jp(Ver1.0) by nonaka on Sketchfab

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。
この3Dモデルは、非常にデータサイズが大きいため固定回線かつPCでの閲覧を推奨します。

・11号墓


※あまりにも見どころが多すぎて、群で紹介すべきか個別に紹介すべきか悩んだ十王前横穴墓群。当日は、日立市職員・かんぶり穴を守る会・森林ボランティアと多くの方々にご助力いただきながら、現在開口しているほぼ全墓を見学することができました。これだけ大型の横穴墓が集中しているのも珍しいですが、さらには装飾古墳もあります。大型と小型のサイズ差が明瞭で、大型のものにも平天井とかまぼこ型が併存します。規模や形状から階層や属するグループなど想像が膨らみます。

これら横穴墓の入り口には苗字が書いてあるものが多数あります。日立市は戦争中爆撃に加え艦砲射撃も受けた地域なので、防空壕や生活の場として使用する家族の苗字を書いたのではないかというお話がありました。


9号墓から22号墓までの通路スキャン。14号前から1号前までの通路スキャン。各横穴墓のスキャンを手動連結して全体モデルを作成。rtabmapが起動時に水平を検出するため、二軸の整合だけを考えればよいので、ずいぶんそれらしいモデルになりました。スキャンにかけた時間は約2時間。なお、県史の計測データや略測図とは、ずいぶんと差があります。

・14号墓

・1号墓

2018年8月13日月曜日

福井県_小浜市_加茂南古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※小浜市を訪れたのは、オバマ大統領就任時の小浜市ブーム?以来。古墳目当てで、訪れてみると草刈りの真っ最中。加茂南古墳までの見学路が綺麗になっていました。草刈り中のおじさんも連れて入室。入り口はそこそこ狭いものの、中はかなりの大きさです。”入り口せまくなったかなー”と仰ってました。県HPの写真と比べてみると確かに狭くなっているのが確認できます。さらに、点群データからは、羨道1石目の平滑面が斜めになっている様子が・・・ 

朝方まで雨が降っていたところに入室したので、ずいぶんと石材がキラキラしています。そのせいか、玄室内にもごみ点群データができています。

2018年8月11日土曜日

徳島県_美馬市_野村八幡古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。
この3Dモデルは、非常にデータサイズが大きいため固定回線かつPCでの閲覧を推奨します。



※段の塚穴型石室の規模で二番手グループにある野村八幡古墳。神社の敷地内に所在することもあってか、内部も綺麗で見学がしやすいです。入り口にある二石は羨道の天井石でしょうか。石室内部は、太鼓塚古墳や棚塚古墳とは違い側壁を砂岩で構築しています。美馬市の高校生が、段ノ塚穴型石室における結晶片岩の使用に関する考察という表題で発表していました。こういう発表に、3Dモデルや全天球写真使ってもらえるといいなぁ~

2018年8月5日日曜日

福岡県_みやこ町_橘塚古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※小学校と保育所に挟まれた位置にある橘塚古墳。前後室+羨道を持ち、近くの綾塚古墳と共にみやこ町最大級の石室です。特に羨道の天井高は、玄室同じくらいの高さになります。外光の影響もあり、羨道天井石の側面が記録できていないのはそういう理由です。

羨道の石材に”福”の文字があります。


2018年8月2日木曜日

兵庫県_福崎町_妙徳山古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※神積寺の敷地内にある妙徳山古墳。大きい石室とは聞いていましたが、確かに町史跡クラスの大きさではないですね・・・さすが兵庫県?。羨道もかなり高く、玄室床面を基準とすると、高さ2.4mほどあることになります。開口部から玄室へが、スロープ状になっているので、枯葉が多い時期や雨の後は注意が必要です。

石室にも増して驚いたのは、住職さんのVR知識がすごかったこと。お話を聞いているうちに、比叡山の動画に携われた方と分かりました。自治体の文化財課以外の方で、あそこまでの興味を持たれたのは初めてです。