注意事項と3次元データの共有について

〇注意事項

3次元データのサイズによっては、高額な通信費用が発生します。Wi-Fi接続状態のスマートフォンまたは定額回線でのPCブラウザでの閲覧を推奨します。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを使用してみたい方へ

古墳や横穴式石室/横穴墓の3次元計測を行った記事は見つかるものの、取得データ自体に殆どアクセスできない3次元データ。レーザーやSfM/MVSと比べ粗いデータではありますが、使用してみたいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください。ただし、管理者/自治体との契約により、利活用が制限されている場合があります。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを引き継ぎたい方へ

個人の3次元データではありますが、複数の要因で立入ができなくなった横穴式石室/横穴墓が多くあります。今後、個人でのデータ管理が行えなくなる/デジタル遺品化することを考慮し、データ相続先の研究者さん団体さんを緩く募集します。

記事への秘匿コメント、Sketchfabアカウントへのメッセージ、ストリートビューの公開アカウントなどお好きな手順でご連絡ください。





2018年6月20日水曜日

徳島県_美馬市_荒川古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。
この3Dモデルは、非常にデータサイズが大きいため固定回線かつPCでの閲覧を推奨します。



※細長い羨道、あまり記憶にない玄室空間形状・石棚と、いろいろと面白い美馬市荒川古墳。羨道途中にある門のような構造は、対岸の三島古墳群2号墳にも見られます。門?を超えると段の塚穴型形状を構成する1枚目の石材となるので、ここからが玄室のイメージだったのかも。

玄室入り口付近の軍手は、見学者のものかな?(他の方の00年代写真には、見当たらないため)

ZenfoneAR+RtabMapで計測した中で、羨道の狭さ*長さでトップクラスの石室。直射日光原因以外では初めて、3Dスキャン途中でデータが破綻しました。(移動前と移動後に同じ個所をスキャンしても、同じ場所と認識しない)。狭い羨道を早く抜け出そうとして、ZenfoneARを早く動かしすぎたのが要因そうです。


2018年6月17日日曜日

床面の違いが判る?撮影者違いのインターバル全天球撮影

上:2015年12月26日 朝8:30ごろの兵庫県たつの市姥塚古墳玄室
下:2018年3月の兵庫県たつの市姥塚古墳玄室

なんと、撮影者違いで古墳玄室の2年越しインターバル撮影が実現!
 Kengo Shimizu様が撮影された5000万画素の全天球写真は、結合漏れもなく床面までばっちり撮影。(兵庫県はTheta発売以前から、一眼カメラ?を使用した全天球撮影者が何人かいらっしゃるようです。)







おそらく壁面から等位置を考えるので、おおむね同じような位置からの撮影となっています。

熊本地震を経た二軒小屋古墳の破損状況を、全天球写真からチェックしたことがありました。壊れたところではなく、床面に見慣れぬ石材が転がっているかが破損個所発見のキーになりました。ただ、ThetaやThetaSでは解像度や暗所での撮影がそれほど得意ではないので、見落としはあると思います。

その点、このおそらくデジイチを使用した撮影では、十分な解像度を備えています。これなら、わずかな石の動きも観察できますね。

でも2年間あったわりには、石動いていませんね。げじげじが多いのであまり玄室の中で動きまわって見学する人も少ないのかも。

2018年6月14日木曜日

島根県_出雲市_今市大念寺古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※出雲市の町中にある前方後円墳、今市大念寺古墳。お寺の墓地に石室入り口が開いています。大型玄室の体積おおよそ1/4を占める石棺は、横穴墓を丸ごと内包できるほどの大きさ。奥壁の石材も超大型なのに、注目ポイントを石棺に持っていかれる石室です。

内部も見れる石棺にRtabmapで突入(事前に、総社愛宕山古墳で練習)。石棺の外側と内側を3Dスキャンすることで、どのくらいの石材の厚さがあるのかがわかります。勝手な思い込みでシンメトリーに作られているのかと思いきや、ずいぶんと奥側に広くなっています。

右が石室開口部

これも、小さいところに突っ込めるZenfoneARと3次元計測が継続取得できるRtabmapゆえの面白技かな。

2018年6月10日日曜日

茨城県_常陸大宮市_八田雷神山横穴墓群(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※常陸大宮市の水郡線脇にある八田雷神山横穴墓群。サイズ・形状ともに他とは異なる横穴墓が1段上にあり、残り4基が仲良く1列に並んでいます。上段の玄室は、あまり見かけたことの無い床面円形天井ドーム型。近い形状は、いわき市の中田横穴墓などでしょうか。天井に掘られた”八田”が妙に主張している横穴です。下の横穴墓も玄室と羨道が同じサイズで、まるで蓮根のよう。

この横穴墓群は近くまで車で乗り付けられますが、そこから急斜面。階段は作られているものの、濡れていたり落ち葉が積もっていたりすると非常に危険なのでご注意ください。

2018年6月3日日曜日

横穴墓からわかる地震

横穴墓を見学していると、古代の人々は自然の造形を自分の墓に取り込んでいるんじゃないかと、思うことがあります。地層がまるで星々の軌跡のように見える八田雷神山横穴群。わざわざ玄室天井に貝塚層が来るように設計しているようにも見える崎浜横穴群。

そんな自然取り込み横穴?の中でも、神奈川県三浦市にある切妻造妻入形横穴古墳(白山神社古墳)は、断層が横穴の一部になっているという特異なものです。下の画像は、横穴墓の側面オルソ。


側面に最低3本の断層がみえます。天井や奥壁にも同様の断層が見つけることができ、非常に複雑な地殻変動のあった地域なんだなぁと感嘆させられます。軽く調べてみると、初声層と呼ばれる400~300万年前の地層とのこと(三崎層?)。断層で区切られた白い層のみに、彩色が残っていたりと、古代の人には装飾の一部として扱っていたのかもしれません。

3次元モデルから、いくつの断層を見つけることができますか?



一般に2次元でしか露出していない断層を、3次元で見れる珍しい例・・・だったらいいなぁ。