注意事項と3次元データの共有について

〇注意事項

3次元データのサイズによっては、高額な通信費用が発生します。Wi-Fi接続状態のスマートフォンまたは定額回線でのPCブラウザでの閲覧を推奨します。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを使用してみたい方へ

古墳や横穴式石室/横穴墓の3次元計測を行った記事は見つかるものの、取得データ自体に殆どアクセスできない3次元データ。レーザーやSfM/MVSと比べ粗いデータではありますが、使用してみたいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください。ただし、管理者/自治体との契約により、利活用が制限されている場合があります。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを引き継ぎたい方へ

個人の3次元データではありますが、複数の要因で立入ができなくなった横穴式石室/横穴墓が多くあります。今後、個人でのデータ管理が行えなくなる/デジタル遺品化することを考慮し、データ相続先の研究者さん団体さんを緩く募集します。

記事への秘匿コメント、Sketchfabアカウントへのメッセージ、ストリートビューの公開アカウントなどお好きな手順でご連絡ください。





2015年12月23日水曜日

大分県_玖珠町_鬼塚古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


重いバージョンです。玄室のみ。石材表面形状などはこちらのほうが分かり易いです。

 


※いつもより少し大きなサイズで。2015年最後の石室モデルは玖珠鬼塚古墳。私有地の中にありいつでも見れるわけではありませんが、関東の厳重管理の古墳に比べればはるかに調整は容易です。いくつかの資料館で3Dモデルのサンプルとしてお見せしましたが、”間近で見学できるの?”という驚きが先に立つことのほうが多かったです。
描かれている大まかな内容と石室中の描かれた場所、石材表面/石材構成が網羅的にわかるすごい3Dモデルな気がしています。
いまなら、動画から高画質全天球作れるのに・・・

2015年12月19日土曜日

群馬県_太田市_北山古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。
大田市北山古墳 - Spherical Image - RICOH THETA





※カマドウマの多い古墳が続きます。山寄せ7世紀後半の玄室は、石舞台古墳の玄室になんだか似ているような。(前壁の傾き?)群馬の似ている石室が4基ほど準備中です。

2015年12月15日火曜日

有象無象の記念写真が3Dモデルや動画になる日

2014年の2月ごろに行われたEPSON社MOVERIO(モベリオ) BT-200を使用したAR検証。透過型のスマートグラスで石舞台古墳の各所で古墳の説明を行ってくれます。古墳公園内のマーカーを認識しての解説になるのですが、自立航法やGPSなどの位置情報を起点に解説が始まることを想像していた私には少々がっかりでした。

石舞台古墳バーチャルガイド実証実験【スマートグラス版】

ただ、この辺りからVRゴーグルを使用した石室公開(国立九州博物館 石舞台のこの事例と同じ東大の研究室が関与)や各地の資料館で文化財の3Dモデル化などITでの取り組み・・・特に閲覧に関する事例が目立ってきた感じはします。


ところで、実証実験が始まるかなり前に着いてしまったので、手持ちのカメラで初めての石舞台古墳を撮影。当時始まったばかりのMicrosoft Photosynth”3D”サービスで画像解析した結果が、以下のコンテンツです。
羨道から石室内部は31枚、全周は53枚の1200万画素程度の画像から作成されていますが、比較的滑らかな石舞台全周と石室の動画っぽくなっている気がします。




石舞台古墳 石室(ishibutai tomb "stone stage" ) by ko-nonaka on photosynth




石舞台古墳(ishibutai tomb "stone stage") by ko-nonaka on photosynth


さて、2014年にPhotoshnthに使用した画像を2015年の画像解析/点群データ化ソフトウェアに仕掛けると・・・

こうなります!



冬空の灰色と天井石の色が明瞭に分けられずゴミデータが付いていたり、玄室袖のデータが無かったりしますが、僅か84枚の画像が石舞台古墳と認識できる3Dデータになってしまいました。
地面が透けて石室位置が明瞭なのもなかなか面白いですねぇ。


ただ、この技術少し怖さもあります。画像解析のために同一のレンズ/イメージセンサーで撮影することが条件となるのですが、例えば多くの方が持っているiPhone6というカメラを使用して一定エリア内一定時間内で撮影された画像を全て集めて処理したすれば3Dモデルが出来るのではないかということです。(おそらく建築物や史跡など静止物が容易 解析結果は誰のもの?)

さらにレンズ/イメージセンサーの特性差分を埋めるような技術が出てくれば、人物すら瞬間的に3Dモデル化してしまうかもしれませんね。

画像解析系の3DSCANは、Microsoft researchも進めていますし来年も注目の技術となりそうです。








2015年12月12日土曜日

群馬県_高崎市_山ノ上古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA

※山ノ上碑とセットの古墳。世界記憶遺産の国内候補となったからには、もしかしてカマドウマも一掃?と期待していきましたが、まぁ他の方の写真どおりでした。11月に周った中でも比較的小さい石室に密集しているため”圧”はすごいです。現地では撮影/スキャンすることに専念・・・

2015年12月10日木曜日

超高画質全天球でわかった石室の改変?

再び、観音塚古墳石室。
3Dモデルも出来ているし、特別展示閲覧と全天球写真撮影に伺ってきました。

撮影できた写真をその場で合成、Photosynthにアップロード。
資料館の方に確認してもらうと・・・

”なんか違和感”とのコメント。


















全天球の奥壁部分。
鏡石の左上にズームしてみると一つだけ、色の違う石材があります。

















撮影当日は、天井石付近には湿っている石材もありましたが全般には乾燥。その中に石材としてかみ合ってもいない、色も違う石が・・・
言われて気がつきました。さすがです。

その場で、3DスキャンデータやThetaの撮影データ、インターネット上の奥壁画像を漁ってみましたが石のあるなしが判別できるものはほとんど無く、家に帰って再検索。

















ちょうど一年前くらいの2014/11/15の写真を見つけました。
そこそこ画質が良いので寄ってみると・・・あの石はありません。

資料館の方々も他の資料から、持ち込まれたものと判断されたようです。
(はとバスツアーに参加された方の写真や特別展の新聞記事には、この黒い石ありますね)




石室に石材を持ち込むという悪戯はまず分からないのではないかと思います。
何か意図でもあったんでしょうか。

入れてしまう石室は、保全確認のために全天球のデータを定期的に撮影しても良いかもしれません。




2015年12月5日土曜日

群馬県_前橋市_蛇穴山古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。
蛇穴山古墳_前庭 - Spherical Image - RICOH THETA



※古墳の石室というよりは、石の神殿入口とでもいえるような蛇穴山古墳。隣接して市の建物/駐車場もあるので非常に見学しやすい古墳の一つです。Thetaの古墳写真はこの時期(7月末)で終了。これ以降に見学した古墳の撮影はThetaSになっています。

2015年12月4日金曜日

ほぼ改善?_続ThetaSでストリートビューを作ろうとしている方 注意!!

11月24日、グーグルストリートビューのアプリがバージョンアップし、
以前にあげた懸念がいくらか解消されていました。

グーグルストリートビューアプリ(Android版  iOS版も同様)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.android.street


新機能

お手持ちの端末から 360° パノラマ写真を読み込めるようになりました
• 接続された全天球カメラに対するサポートを拡大しました
• 一括操作が可能になりました

赤で記載した新機能が最重要で、ThetaSでThetaSのアプリを使っていろいろ設定して撮影した全天球写真をgoogleMAPに登録できるようになりました。(全天球やPhotoSphereではなく360°パノラマという記載)

ThetaSアプリで撮影した360°パノラマ写真を
同じ端末内のストリートビューアプリを経由してgoogleMAP登録/公開

以前ThetaSで撮影した360°パノラマ写真(PCに保存したあったものなど)を
端末にコピーしてさらにストリートビューアプリを経由してgoogleMAP登録/公開


※下野市丸塚古墳 拡大地図を表示でペグマン石室近くに持っていけばOK


まだ出来なさそうなこと
コンステレーション画面の埋め込み
・公開後の位置修正が出来ない?
・ランドマークが無い写真に名前付けが出来ない?ランドマークの名称になる
(例:住所が表示されたり、○○寺境内内××古墳だと○○寺しか表示できない)

ランドマークは追加できるようですが、最近威力業務妨害で捕まったりしているので申請承認も遅いかもしれませんし、何より古墳1基1基をランドマーク登録はできないと思っています。(そこそこ大物なら思いますが、意外な古墳が登録されていたりばらつきはあります。)


新しく登録した360°パノラマ写真でもコンステレーション画面の埋め込みは出来ない状況が続いていますので、以前とまったく同じというわけではありません。ただ、ThetaSで撮影した解像度の高い全天球も無駄にならなくてほっとしています。

2015年12月2日水曜日

福岡県_久留米市_前畑古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※見学可能な装飾古墳ですが、彩色の判別はなかなか難しいものとなっています。3室構造の石室が比較的短時間(スキャン時間20分程度)で予想以上に再現できました。

2015年11月29日日曜日

岡山県_総社市_こうもり塚古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※2015GWに石室公開していたこうもり塚古墳。GW期間中ともあって、途切れなく訪れる見学者。僅かな時間で入ったり邪魔にならないように出たりを繰り返しながら3Dスキャン。全天球に至っては、三脚を立ててリモート撮影する暇も無く手持ち撮影で写りこんでいます。

側面から見ると他の三大吉備の石室と比べて羨道が前室のようにも見えます。時期的な印象かもしれませんが、吉備の石室には水が溜まっている例が多いような。。。


2015年11月27日金曜日

みぶ車塚古墳の時代 シンポジウムに参加して

栃木県壬生町で行われた”壬生町合併60周年記念シンポジウムみぶ車塚古墳の時代-古墳時代終末期における大型古墳出現の謎を探る-に参加してきました。

すでに前回の記事で話題にしたように、お昼休みの時間に3Dモデルと全天球写真をちょっぴりデモンストレーション。
非公式?とはいえ、
複眼タイプのVRゴーグルで石室内部の全天球写真が見れる
・Tabletで4億画素の墳丘の全天球写真が見れる
・石室の3Dモデルを自由に動かせる
という展示はなかなか無いと思います。

古墳はこういった技術を駆使して現状維持+3Dデータや全天球写真がベターかなぁとおぼろげに考えています。3次元データであれば築造時推定データを作成するのも閲覧するのも容易ですし、
より詳細な分析が出来るようになった時に現状保存が効いてきます。
(ぱっと思いついたのは版築に含まれる花粉やプラントオパールなんか役に立つ?)

発掘と破壊、復元と現状維持、いろんなジレンマがあることを改めて感じた次第です。




※シンポジウムの直前に撮影/作成した車塚古墳_石室前面全天球写真


午後の部も7世紀中葉以降の古墳がほとんど無い地域生まれにとっては新鮮。
(日向中心部は7世紀初頭の鬼の窟古墳(円墳)で高塚は打ち止め)
群馬の権力集中(総社古墳群)、栃木南部の首長連合(複数の大型古墳が平行して造営)などいろいろなお話がありました。その中で3Dスキャンしたことがある古墳や石室が出てきたときには、3Dモデル使って説明すれば石材構成やサイズ感とか分かり易いかも・・・といろいろ思ったり。
やはり写真での構造説明には限界があるような気がします。



シンポジウムの中で少し気になった2点

○やや荒い截石(土生田先生は削り石と表現)の加工具合の記録に拓本?を使用している写真があったこと。今なら3Dスキャナを使用することで、概ね工作痕を記録できると思います。截石の加工方法である程度技術集団が特定できたり?










※線刻あり?の横穴墓奥壁。亀の甲羅状の加工痕が記録できている例。


○岩屋山式石室の展開
ふと思い出した日向の千畑古墳。前方後円墳の墳丘に途中から折れてくる側壁を持つ石室。石室形式が早めに伝播したのか、実は山寄せの円墳でした~なのか、気になるところです。
(確か年代も墳丘形状もはっきりしていないはず)
指標となっている岩屋山古墳も入れるみたいなので、早速行ってみたいですね。







2015年11月21日土曜日

栃木県_壬生町_車塚古墳(Ver2.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
いずれも10月30日の現地説明会前掃除のあとに許可を得て撮影・スキャンしたものです。

※壬生町の合併60周年記念イベント”みぶ車塚 古墳の時代”で、有り難いことに3Dモデルと全天球写真のデモを行う機会を得ました。荷物多めでも大丈夫なため、タオバイザーではなく他の
CardBoard対応機器を使用。年齢高めの方々から大学生までVRゴーグルでの車塚古墳石室は好評。3Dモデルもなかなか喜んでもらえました。(使用したデータは本記事で公開したもの)
意外と聞かれたのが、壁の裏をどうやって測量したのか?という質問。さきたま資料館の企画展ではたしか”内側が透けてます”と注意書きが書いてあったような。

先生方の説明で石室や墳形の特徴がお話に出ていましたが、見学したくなる石室がまた増えちゃいましたね~。

2015年11月19日木曜日

広島県_福山市_大坊古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※直前に見学している岡山の石室群と比べても引けをとらない大きさ。
玄室・羨道の高さ幅も同じでこの長さはなかなか3Dモデル化していなかった形状です。

2015年11月15日日曜日

千葉県_長柄町_長柄横穴群4号墓(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※長柄横穴群第1支群第1小群の1基。天井部分が崩落している部分がありますが、辛うじて寄棟式であることが分かる形状です。それにしても、房総は高壇式も相まって玄室規模が他所に比べて大きい印象です。

2015年11月10日火曜日

佐賀県_みやき町_高柳大塚古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


以前に登録したものだったら、ストリートビューからの組み込み設定があったりなかったり・・・


※久留米の古墳石室が前室/後室で容積に極端な差があったので小→大のイメージでしたが、この辺りは差はついているものの天井高の差が大きくなく中→大の感覚です。また全体が横から見ると羨道/前室/後室が三等分くらいのような。


2015年11月7日土曜日

群馬県_藤岡市_原古墳3Dモデル動画(Ver1.0)





少し使い方に慣れてきたPix4DMapper(トライアル)。
小さい古墳ならもしかしてと思い藤岡市の原古墳(移築復元)を3Dモデルにしてみました。
トライアルなので3Dモデルとして出力は出来ませんが、動画として保存できます。

撮影した写真全てで3Dモデルを作成すると、PCで閲覧するのが難しいサイズになったため50%ほど減らして作成しています。その結果、石室の中や側面の一部がかけてしまいました。


写真フルで作成したモデルの上空からのオルソ画像。




























※北の藤岡市中心、南の秩父とも違う特徴ある墳丘基部と石室が交差点近くに移築復元されています。石室サイズは小さく梱石を境に石棺のようにも見えるます。

2015年11月5日木曜日

ThetaSでストリートビューを作ろうとしている方 注意!!

8月ごろからいろいろGoogleMAPで問題が発生したりしたこともあってか
コンステレーション(ほんとのストリートビューらしく全天球写真をつなぐ)が出来なくなったり、
ブログへの埋め込みが出来なくなっています。

コンステレーションやMAPへの登録が商品情報として載っているThetaSの発売に伴い、なんらか解消されるかと考えていましたが・・・残念ながら解消されませんでした。

古墳全天球写真をgoogleMap上から参照させようと考えている方
購入、ちょっと待ってください!!


現状googleMAP上に全天球写真をアップロードする手段は3つあると考えています。

その一
google認定カメラマンになること。これは、ThetaSよりも高画質な画像を専門知識を使って作成できる方に限られます。ThetaSの撮影物では認定されないため、NikonやCanonの上位カメラをもっていることが条件になるため、まず無理でしょう
認定カメラマンになれればコンストレーション設定のアプリなども使えるようですが・・・


その二
iPhoneおよびAndroidなどのスマートフォン向けにストリートビューというアプリが提供されています。ThetaSの撮影をそのアプリから実施すれば、任意の位置に全天球写真を登録することが出来ますがこちらも問題があります。ThetaSの撮影をThetaSアプリで実施できないため、露光時間などの詳細設定が出来ないのです。また、事前に撮影した写真や過去PCに保存した写真を読み込むこともできません


その三
有名な遺跡などはgoogleMAP上にアイコンが出ているかと思います。
(八幡観音塚古墳や山上碑および古墳など)
このアイコンをクリックすると、”写真を追加”からPCなどに保存しているThetaSの全天球写真を登録できます。ですが、ほとんどの古墳はこのような登録が無く任意の場所に写真を追加することができません

さらに、その二やその三の手順でうまく出来たとしても、本物のストリートビューで出来る埋め込みが、登録した全天球写真ではできません

フォトのほうに登録しても、全天球にはならないしでなかなか困りものです。
(ここはもう少し試せる余地があるかな?)


対処としては、
コンステレーションは、現状あきらめる・・・
googleMAP上の表示をどうしてもしたい場合は、ストリートビューアプリで撮影する。
埋め込みをしたい場合は、リコー社のサービス theta360.comで限定公開設定とし、埋め込みコードを取得する。

ThetaSというよりは、googleMAPおよびPhotosphereの仕様なので若干リコーさんは被害者な感もありますが、コンステレーションについては”出来る”と謳っちゃっているので説明変える必要があると思います。

現状、超高画質の”Photosynth”、地図表示の”googleMAP”、埋め込みコード用の”theta360.com”と全天球写真の登録を一つのサービスに集約できないので、なかなか厄介ですね~

Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA

※前回全天球に出来なかった高崎市山ノ上古墳玄室

googleMAP上の”山上碑および古墳”には同じ画像が登録されています。

2015年11月3日火曜日

全天球高画質”カマドウマ”写真とThetaS使用感

この飛び休にThetaSなどもろもろをもって北関東をうろうろ。

壬生町車塚古墳の現地説明会前には、昇寛様と近隣古墳を周遊。

当初目的の下砥上愛宕塚古墳の石室を3Dスキャンした後に時間があったので塚山古墳へ。
近隣の見学できそうな古墳リストがすらすら出てくるのはさすがです。
勢いに乗ってヘルメットThetaS・・・
ヘルメットの上にThetaSを載せて見学路を歩きながら全天球動画撮影をする技?を実施。
思っていたより古墳近傍に民家があるので公開は動画を精査/検討中です。



ThetaS_全天球動画撮影の感想
・曇天時の撮影となったため光量が足りていない暗い撮影になった。
→動画撮影の光関係の設定があるかも。もしくは動画自体を編集。

・旧Theta並みの画像で動画が取れている印象。
→家や人への撮影配慮は静止画よりやや甘くても良いかも。





壬生車塚古墳の後も記事中に”カマドウマ”が出てくる率の高い太田市北山古墳や安中市野殿山王塚古墳、高崎市山ノ上古墳などを見学&3D化。
そして、全天球写真撮影。
写真いっぱいに写るカマドウマをご堪能ください。
(そして奥壁側からの写真を撮影されている方々に賞賛を!)












山ノ上古墳玄室(グリグリまわせない版)

カマドウマは負の走光性があるようでランタンを置いた辺りから、飛び跳ねたりしながら離れていきます。(写真で側壁側に少ないのはそのため)
また、380ルーメンのランタンより1500ルーメンの懐中電灯に反応が良いこと。
体長が小さい若い固体?のほうが光へ反応しやすい気がします。
隠れる場所が多い石室ならば、ぱっとみ少なくなった印象になるので多少使える技かもしれません。ゲジゲジにも効きます。



ThetaS_全天球写真撮影の感想
・リモート撮影の可能距離が短くなった?Wi-Fiの接続切れ
→数m級の玄室/羨道の石室では開口部からリモート撮影が難しい。
安全に撮れるのは見通し4mくらいか。スマホ側のリアルタイムプレビューを切ると少し伸びた印象。
(それでも山ノ上古墳玄室から開口部脇でギリギリ)
転送速度が速くなった副作用かなぁ

・なんだか赤い光点が写る。
→ThetaS自体のWi-Fi接続切れか何かのランプか?

・暗所撮影は非常に向上
→開口部からの光量との兼ね合いは相変わらずで、露出を長くすると三脚が奥壁に影を作ったりなかなかに難しい。石室撮影でランタンなどの広がる光源は重要。


もともと誰にでも薦められるカメラではありませんが、撮り忘れを発生させないという点において古墳とくに石室撮影にはもってこいであることに変わりはありません。ただ、発売されて間もないということもあり不具合が起こったとき(Wi-Fiの接続不良など)にある程度対処できるスキルは持っておいたほうが良いかもしれません。


2015年10月27日火曜日

千葉県_長柄町_長柄横穴群2号墓(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※第1支群の方は整備されているため、夏場でも見学できる長柄横穴群。前回時間の関係で一部しか出来なかった第1支群も再訪で概ね3D化しちゃいました。寄棟式の綺麗な玄室の残る2号墓です。

房総はほかにも面白い形式の横穴墓がありそうなので何度か行ってみたい場所です。

2015年10月25日日曜日

ThetaS到着。Thetaとの違いは?


















ThetaS到着!
暗所に強いということで、ちょうど二年くらいで機種更新です。

Theta→ThetaSの一先ずの感想。

・少し重くなった印象
・ThetaS→スマホへのデータの転送が早くなった
・動画と写真の切り替えが必要

・画像は綺麗になった印象。暗いところでも以前よりよく見える。
・動画は初体験。PCで見ようとすると閲覧可能な形式に変換するため少し時間がかかる。

・動画を10分程度撮影していると、少し暖かくなった。
(動作停止はしていない)

・ThetaSをつなげた状態でストリートビューアプリから全天球写真を投稿できそう。
(現状唯一のアプリが認識する”全天球カメラ”?)


今までThetaでは出来なかったことが、ThetaSでは出来るのか出来ないのか
古墳シーズン突入で早速試してみましょう。


2015年10月23日金曜日

岡山県_総社市_鳶尾塚古墳(Ver1.0L)





※石材が平ら&大きくてなかなか結合に難儀した鳶尾塚古墳。
石室内のズレは大きいです。















※左:石舞台古墳天井面、右:鳶尾塚古墳天井面
玄室内部からの露見部分で1m以上長いことが分かります。

2015年10月19日月曜日

立面正射投影画像っぽいことをやってみる

合戦原遺跡でみた立面正射投影画像。
現場で玄室の奥壁面に近づくことは出来ず、玄室外から写真一枚を撮影するのがやっとでした。

出来るだけ広角のレンズと良いカメラを購入するというのも手ですが、
ThetaSやらRealsenseやらいろいろ散財してしまったので今回は手持ちアイテムだけで何とかならないかチャレンジです。
とはいっても、全天球写真を作るImageCompositEditer2.0の使い方の派生です。
パノラマの形状にも選択肢が多くあり、Transverse Mercatorを選択。
(凹凸を計算してのオルソ補正ではないことに注意!!)

早速、奥壁までたどり着けない代表の高壇式長柄横穴群で実験です。
高壇部分からカメラを動かさずに半球を撮影。

ICE2.0で結合すると解像度が1億を超えてしまい
写真として登録することが出来なくなったため
解像度を落とした画像と結合画像そのままのPhotosynth画像です。


















※通常画像





※Potosynth登録 


ついでに奥壁のSkanectで取得した3次元形状を正面から見た場合の画像。















実測となんとなく近づけることは出来ますが、奥壁の龕?がやはり右から撮影したことを如実に物語ります。技術的に正しいものではないと思いますが、危険で入れない場所での撮影には使えるかもしれません。








2015年10月14日水曜日

静岡県_浜松市_興覚寺後古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。




※前方後円墳感の薄い墳丘に大型の石室があります。
天井が現存する片袖式としては本ブログ初の3Dモデルですが、その前に見学した岡山の片袖式石室ともなんだか印象が違います。石材の違いかなぁ。


2015年10月12日月曜日

失われる横穴墓に安_早_正確?のデジタル記録はいかが?

現地説明会に伺った合戦原遺跡の線刻画は取り出し保存になるというような記事をみました。
出元である読売新聞のニュースサイトが消えているので確実とはいえませんが、致し方ないというのが個人の感想です。














※現地説明会時の写真再掲


第二回現地説明会直前にも雨が降っていて、流れ出す泥水は増える一方。
素人目にも固まりきれてない砂岩質の地層は、現状保存していくにしては脆弱に見えました。
取り出し保存というだけでも、町レベルでは大変なことですし重大な決定だと思います。
(複製可能なデジタルデータがあればもっといい。複製劣化の際にも対処できるはず)

石貫ナギノ横穴群を訪れて以降、画一化されている墓制と思っていた横穴墓にも多様な形状があり3D化したいな~と思うようになりました。それなりに近いところで、見学できそうな房総半島を調べてみると高壇式(すでに3Dスキャンを実施している長柄横穴群など)を始め興味深い構造のものが多く存在していることが分かりました。

千葉教育振興財団_研究連絡誌ダウンロードサイト

”房総半島中央部の横穴墓制”に記載のある平面図で、玄室に張り出しのある横穴墓が(茂原市山崎)。調べてみると、すでに宅地化されて消滅してしまっているようです。平面図だけを見ると石屋形をもつ石貫ナギノ8号にも似ていますが、平面図だけではなんとも。
横穴墓の資料引用は全般に床面と側面の図が用いられるようで、なかなか屋根形状や内部構造までなかなか追えないようです。如何せん引用される資料の作成が、昭和や平成の一桁であればデジタルで記録するということ自体が難しかった時代です。
ですが、スマートフォン初めとする情報機器やセンサー連携で素人でも以下のような3Dモデルを容易に作成できるようになりました。しかも、玄室中央まで入って計測したものではないので多少安全に作業できたことになります。














※長柄横穴群2号墓(寄棟形)
















※長柄横穴群11号墓(切妻形)


入室しなくても出来そうなもの

○奥壁を立面正射投影画像っぽく撮影(たぶん)
○玄室中央部の全天球写真。(ThetaSを水平に突っ込んで撮影 たぶん)
○概略形状の3D記録(上のスクリーンショット)


入室しないと出来なさそうなもの
○線刻や内部詳細構造の3D記録
○デジカメを使用した超高画質全天球写真
(リモートの専用機材でも作れば出来そうですが・・・高額)

特に、土砂崩れや道路/宅地造成など期限が切られてしまう工事で見つかってしまうことが多い横穴墓ですが、こういった3DスキャナやThetaSなどのデジタル機器を使うことで、安い早いぼちぼち正確の記録が出来るのではないでしょうか。


そんなわけで
3Dスキャン等やらせてもらえる
破壊前の横穴墓募集中!

データ全部提供しますので足代もらえると嬉しい・・・






2015年10月9日金曜日

岡山県_岡山市_牟佐大塚古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。




※住宅地の中にこっそりある吉備三台石室の一つ牟佐大塚古墳。長い羨道には水たまりが出来ヒカリモが繁殖しています。玄室までは飛び石をつたっていくことになりますが、しっかりしていない足場のせいかやや誤差の大きいモデルとなってしまいました。それでも、なかなかの威容です。

2015年10月3日土曜日

福岡県_直方市_水町遺跡B群17号(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


全天球写真:水町遺跡B群前
















B群20号3Dモデルをやや上方視点で。一つの墓道に4つ横穴墓。


※横穴墓ですが羨門が石組み出てきていたり墓道に副室/脇室あったり墳丘があってさらに周溝がめぐりるという、見知っていた横穴墓のイメージとはずいぶん異なる遺跡です。
B群の17号ですがお隣の18号墓道もなんとなく含まれています。平面図だけでは分かりづらい、墓道の3次元構造が面白いです。

2015年9月29日火曜日

一般向け3Dスキャナ付き~~の萌芽か?

Intelが進めるrealsenseテクノロジー

テレビのCMでパソコン画面を見るだけで、パスワードが解除されるなどもその技術の一端です。



腕や手の形状などを認識してパソコン上のアプリを操作
顔をスキャンして画像と三次元形状を取り込み・・・など


今まで画面側つまりPCを使うユーザーを3Dスキャンしていた機能が多く、
StructureSensorと同じ様な使用方法はなかなか難しい状態でした。
(F200とよばれる使用者方向にターゲットを絞った機器を搭載)

9月に入りR200とよばれる外側に向けた3Dスキャナの開発者向け販売/送付がようやく始まったようです。

新センサーデバイス概説 インテル RealSense R200で進化した新機能とは?


2015/9時点ではこれらのセンサーが組み込まれたパソコンやタブレット、スマートフォンが発売されているわけではありません。あくまでバグや機能制限等々があり、アプリも欲しいものは自力で作ったり何が出来るのかを検討したりするための開発者向けです。パソコンの性能も第四世代Coreiプロセッサ(2013中盤以降のCPU)を最低条件、一部に第六世代Coreiプロセッサ(つい最近発売)を要求するというハイスペックっぷりです。(R200 Releasenoteより)
記事のとおり、動作はするようですが安易には手が出せません。

ただ、ここまで開発者向けの情報が出てきたのなら一般向けは早ければ来年春モデル。遅くとも1年後くらいには搭載してくるパソコン/タブレットも出てくるものと思われます。

もし使い方のアイデアがありアプリ開発のスキルもあれば今から手を出しておいても損はないでしょう。
RealsenseR200数台で全方向3Dスキャンをカバーする3Dスキャナ版Thetaみたいなのとか・・・
(被らない様に時差式でスキャンかなぁ それでも1分ぐらいで横穴墓測量できそう)





2015年9月26日土曜日

埼玉県_嵐山町_稲荷塚古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※嵐山町に許可を得て鍵を開けて頂きました。
立派な鏡石は、前室からもほぼ全体が見えます。

2015年9月23日水曜日

千葉県_長柄町_長柄横穴群28号墓(Ver1.0L)および第2支群


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。

















※ほとんど整備のされていない長柄横穴群第二支群。(標識折れてました)
28号墓も高壇の部分のデータが取れていないので普通の横穴墓のように見えますが、奥壁などには線刻らしきものが。
平らに加工した跡も下部の穴も記録できたデータは取れましたが、この精度で撮れるのはやはり80cm四方以下。

山ビルや動物などなかなか冬以外にはきつい横穴墓です。


2015年9月16日水曜日

埼玉県_行田市_八幡山古墳(Ver2.0L)


3Dモデル閲覧注意書き  3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。




※三月に新調されたらしいパンフレットが置かれています。





※真ん中の天井石に落書きを見つけてしまいました。




※本日でSketchfabアカウント開設一周年。最初に3D化した古墳の中で再訪/再スキャンしていなかった行田八幡山古墳を3Dモデル化 勢いあまって全室高画質全天球写真化。
ICE2.0でも、草などの緑や湿って黒一色になっている部分の自動連結は難しいらしく、羨道や中室の一部で連結がうまくいっていない箇所があります。


また、前回同様どうも玄室に設定されている入室監視センサーが悪さをしている可能性があり、玄室や中室でスキャンが失敗する傾向にありました。何とかよさそうなものを連結しています。
複室構造ではありますが、3Dモデルを作ってみると九州方面の印象とは異なり畿内の長い羨道を持つ石室に見えないことも無いような。

2015年9月9日水曜日

徳島県_美馬市_太鼓塚古墳(Ver1.0)




※2014冬古墳めぐりの最後のデータ、太鼓塚古墳玄室。
なぜか段の塚穴の二基では、3Dデータの取得がほとんど失敗。
ある程度使えるデータで玄室を作成しました。
それでも玄室前後から競り上がる天井はインパクトがあります。
色データも少し曖昧なため、デフォルトをMatcapにしています。



グーグルストリートビューがいろいろ仕組みが変わり、登録済みの全天球写真の組み込みが出来なくなったり、連結が外れたりしています。しばらくは、リンク表示が続きます。



2015年9月5日土曜日

Theta活用のアプリ”Theta+”リリース_早速古墳の全天球動画を作成する

全天球動画とは言っても全天球写真のコマ送りですが、こういった動画が作成も公開も閲覧も容易に出来るとはなんだかすごい気がします。






ヘルメットにThetaを載せインターバル5秒で撮影しながら古墳を周回。
撮影した500枚のうち、300枚を使用して全天球動画(7fps)を作成。
好きな方向を見ながら再生でも、好きな場所で見回すでもOK。

これが今回、”Theta+”というアプリによって非常に簡単にできるようになりました。

Richo社製アプリ Theta+(iOS版、Android版)
https://theta360.com/ja/info/news/2015-09-02/



と思ったら、Thetaの新型が10月に発売になるようです。

Richo社製 全天球カメラ ThetaS
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/theta_s/

解像度で6倍以上、暗所での撮影強化と石室特化のような進化具合(意外と暗所撮影が多いのでしょうか)
フルハイビジョン動画での25分撮影もあり、今回のような古墳の周回動画も100m規模なら余裕。
シャッタースピードも60秒(夜景も撮れる!)、面白いカメラとなりそうです。



Milky Way from an Norikura Observatory in Mt. Marishiten-dake, Japan - Spherical Image - RICOH THETA

余談
発熱で動画撮影が止まるような記載があるため、
野外の暑い場所や連続動画撮影などはなんらかの制限が発生する可能性があります。

2015年9月2日水曜日

群馬県_高崎市_八幡観音塚古墳(Ver3.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。





※三度目の作成となる高崎市の八幡観音塚古墳。夏でも安全に見学できる古墳です。
色味などまた失敗している点もありますが、2015ゴールデンウィーク以降作成の石室と概ね粒度が合いました。石舞台古墳や岡山の石室と比べると一定のサイズで長い羨道の後の玄室・・・とは少し違う構造のよう。羨道の出っ張り天井は、3Dモデルでみると石梁のようにも見えたり。

昭和20年に開口した石室は、開口70周年。

2015年8月30日日曜日

写真撮影許可と3次元測量などの新技術の不許可

合戦原遺跡での学芸員さんとのやり取りでかなり気になっていることがあるので、徒然と記事にしてみました。


合戦原遺跡に限らず、遭遇する写真撮影OK。


写真撮影はOK

本来、写真撮影NGであったものがOKなるなど変わってきているものもありますが、
この許可にどういった内容が含まれているのかなかなかに頭を悩ませられます。


○著作権とか法律関連
大抵、撮影した写真は撮影者が著作者になります。
インターネット上の公開や改変さらに販売といったもろもろが著作者に付帯すると考えられるのですが、博物館などでは撮影した後の取り扱いになんらかの制限をがかかっているかのようなお話を聞くことがあります。クリエイティブコモンズのように、管理者が何に使って良いと考えていて、なにに使って欲しくないと考えているのか一目瞭然のマークでもあると良いのですが。
(考古資料の場合著作権は切れていると考えられるので、管理者としています)


特に私人で管理/保管しているものをむやみに公開/改変/販売したりすると、法律的には問題は無くても感情的な問題が発生して公開されなくなることもあるようなのでより注意が必要なようです。



○技術的なこと?
写真撮影OKでも全天球写真はNG
この回答を聞いたとき、頭の中は””でいっぱい。
一生懸命考えて”写真撮影”から可能なことが”写真撮影OK”には含まれていないのではというところに行き着きました。

つまり、OKとなっているのは
カメラで撮影される長方形なりの写真だけ。

撮影した写真から、3次元モデルを作るのはだめ
撮影した写真やカメラで、全天球写真を作るのはだめ
(パノラマはいい!?)


特殊機材を使わないものでも、ここ1ヶ月ぐらいでも自分が気になる以下のような”写真を使った新技術”が出てきています。
片方はThetaで撮影する簡易測量が出来てしまうソフトウェア(Thetaのハッカソンで受賞)
もう一つは、スマホのカメラで3Dモデルの作成(類似技術はあるが、全天球写真合成でもすごいのできたMicrosoftResearchなので期待大)






※開発した会社から制限有ですがソフトをDL出来ます。






※福岡で10月に行われる国際会議で発表されるようです。



ある自治体さんからは、”記録する新技術にどのように対応すればよいか分からない”というかなり本音に近いと考えられる回答を頂いたこともあります。

最近のSNSやドローンと同じように
ルール作りが追いついていない、
ルールが必要かもまだ分からない
といったところでしょうか。


引き続き、調整しながらの見学になりますが、自治体さんとの調整内容もなかなかに面白い研究になるかもしれません。








2015年8月24日月曜日

広島県_福山市_田上第2号古墳(Ver1.0L)



 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。




※尾市1号古墳を目指している途中に雨に見舞われ、急な山道ということもあり断念。尾道に抜ける途中で田上第2号古墳を発見。雨天時に傘を差しながら3Dスキャンするとどのような感じで作成できるのか試して見ました。

雨天程度の照度になっていれば、天井が無い石室でも記録が出来ることがわかりました。
天井なし横穴式石室では初の3Dモデルとなります。
照明を使用していないので、色味が均一で実際の現場に近い印象です。

2015年8月19日水曜日

福岡県_久留米市_善院古墳群4号墳(Ver1.0L)



※久留米市にある善院4号墳。
床面としてはずいぶん細長いにもかかわらず、高さは4m越え。前室との差が際立ちます。
後室は赤色顔料で赤め。
祭壇のお花の色も鮮やか。大切にされているようです。


個人のお宅の庭先にあるため、ストリートビューは無し。場所も久留米市としています。

2015年8月16日日曜日

岡山県_総社市_緑山古墳群6号墳(Ver1.0L)




※吉備3大石室などと比べると異なる趣のある緑山古墳群。古墳群内でのバリエーションもあり、そのうちの6号墳のみを今回3Dモデル化。再訪して4号7号8号あたりも3Dモデル化したい古墳群ですね。

2015年8月12日水曜日

Pix4Dmapper_高画質全天球写真撮影の副産物

たまに3Dモデルの例として上げるPix4DMapperで出来たコンテンツ。
このPix4DMapperというアプリケーションですが、最大の特徴は画像ファイルから3Dモデル(点群データ)が作成できるという点です。古いバージョンではUAV(Drone)から撮影した地上を3Dデータ化するだけでしたが、Mapperになってから地上からの撮影画像も解析/3Dデータ化できるようになったようです。


お気に入りなので、以前とまったく同じものをあげています。(音が鳴ります)
注目すべきは・・・
撮影に4時間しかかけていないこと(人数は?)
6200枚程度の撮影で出来上がっていること
ソフト以外の機材は日本でも個人レベルで買えちゃうもので出来ていることなど。
初めてこの動画を見つけたときには、画像解析だけでここまで出来るものなのかと驚愕しました。
(原理的には軽自動車の衝突防止装置→複眼カメラで距離測定と同じもの)







体験版(作成まで出来るが3Dデータとしての出力が出来ない)をインストールしていたので、たまに試していたのですが、設定が悪いのか/写真の撮影が悪いのかなかなか目的のものには近づかず。今回だめもとで伊勢塚古墳の写真を解析させてみると、かなりそれっぽいものが出来上がりました。

伊勢塚古墳玄室 主に玄室中央付近(上下逆転)


解析した写真は全天球写真作成に使用した400枚すべてですが、主に3D化されたのは撮影ポイントから近い側壁および天井/床面になっています。長辺方向(奥壁/玄門)が3D化されていませんが、ほぼ同一箇所から撮影しているのが悪いのかもしれません。撮影箇所から1m程度内はよく出来ているので、あと4箇所ほど撮影すれば写真だけで3Dモデルの作成が出来るかもしれません。


ただ、このソフトは個人レベルで使用するには高価で1ヶ月ライセンスでも4万円しますし、PCの推奨条件もちょっと普通のパソコンレベルではありません。(我が家のパソコンCorei7/メモリ8G/グラボが最低条件)まぁ、出来ることが確認できただけでもよしとしましょう。


かみつけの里博物館で公開されている保渡田古墳群二子山古墳3Dモデルは、このソフトで作成されたのではないかなぁと想像してます。



2015年8月9日日曜日

福岡県_久留米市_浦山古墳(Ver1.0L) 浦山古墳石棺奥(Ver1.0)





※自分が3D化した石室の中では最古(5世紀中頃)
石棺は内壁に直弧紋を配するもので、狭いながらも何とかスキャンできました。
奥側を精度重視の6分割で撮影したので結合が難しくなり、
奥壁全面に線刻がある場合などの課題です。

2015年8月7日金曜日

Thetaの手軽さを極限へ

前々回、超高品質全天球写真の作成に成功し、ストリートビューにThetaと比べて格段の品質で登録できるようになりました。これでThetaはお役ごめん・・・というわけではなく基本的には手軽なThetaで撮影することを継続します。ですが、強みをさらに強化ということで三脚や隠れて撮影ということすらも行わなくて良いように、グッズを考えてみました。



TV番組でGopro(小型カメラ)をつけてるヘルメットを多用していますのが、そのTheta用版といえばよいでしょうか。

使ったもの
・ゴリラポッド(自由度の高い小型三脚)
・ヘルメット(1000円くらいのもの)
・ヘッドライト用バンド
・ヘッドライト用バンド取付金具
バンドに三脚の足先を巻き込み、バントをヘルメットに固定するという形で構成。
ガムテープや接着剤で繋がっているわけではないので、分離しての使用も可能。

そんなヘルメットをかぶれば自律思考二脚の完成です。

シャッターを押す手も入ってしまうので、インターバル5秒で撮影開始。
古墳の周囲、上れる場所を周ればストリートビュー用の全天球写真が撮影できることになります。


今回、Theta高密度ストリートビューの餌食になったのは保渡田古墳群_二子山古墳。
(かみつけの里博物館に確認。ちゃんとした会社が空撮を使用した3Dデータ化をしていて、博物館で公開されています。群馬県もデジタルデータ化に着手してきたのかな?)

下の画像は、ストリートビューの設定画面。
73枚の全天球写真は、周提や中島を含むとはいえ過去最大の枚数。
(古墳1基の枚数最大は壬生車塚14枚、群では奈良古墳群の24枚)
これでも1/7程度に間引いての登録です。





















作ってみた/使ってみた感想。
・天頂の登録が微妙で水平がおかしい全天球が撮影される場合がある
姿勢を正しくしていても、やや猫背で背中が写っていますがそれ以上に水平がおかしい写真が撮れています。歩いてる途中のずれ、もしくはスマホからなんらかデータをもらっている?

・視線を下に向けられないので、歩行に注意が必要
ヘルメットの上に固定している関係で、視線を向けるとそちらに傾いた全天球となります。
インターバルの間に動く達磨さんが転んだ方式もしくは撮影した物の中から良いものを選抜すればよいでしょう。

・虫が飛んでくる・・・
予想以上に植物と思って虫が飛んできます。次回同様の撮影をする場合には、虫除けを塗りこむ、虫のいない時期の撮影となるでしょう。

・データの転送を行わなければThetaの電池は持つ
500枚程度を撮影しましたが、Thetaの電池は持ちます。この後のデータ転送で空っぽ。撮影に専念すれば、周提帯付の100m超の古墳撮影1時間程度は問題ない印象です。


・ちょっぴり恥ずかしいです。
まぁ・・・




Google社がストリートビュー撮影に使用する”トレッカー”という機材がありますが、それをさらに簡易版にした印象です。ちゃんとしている団体でであればトレッカーを借用してストリートビューを登録できるはずなので、画素数も高い(7500万画素)そちらを利用したほうが良いかと思います。機材を数そろえたり、撮影場所が多いというのであれば、Thetaを使ったこのような現状撮影もありかと思います。

なお、全天球写真の上?全天球動画を撮影できるTheta m15もありますが、撮影時間が5分と短いためピンポイントもしくは小型の古墳に限られます。全天球動画で古墳(墳丘重視で)を記録する場合には、二時間以上準全天球動画の撮影できるマスプロ社のSP360のほうが適しているのではないかと思います。





2015年8月1日土曜日

宮城県山元町合戦原遺跡現地説明会に行く

7月25日 宮城県山元町の合戦原遺跡第二回現地説明会に参加してみました。

貴重な線刻横穴墓ということもありますが、あまり現地説明会に参加したことが無いので後学の為ちょっと遠出です。

開通した常磐道をつかうとずいぶん早く到着したので、準備にいらっしゃった学芸員さんに写真撮影/全天球写真撮影/3次元測量等してもかまわないか聞いてみたところ、写真を除き×。現地説明会という忙しいなかでの個別対応は、やはり難しそうですね。

3次元測量はちゃんとした会社さんが入っていることなので、どこまでの範疇で3D化されるか分かりませんが出来上がりに期待しましょう。


横穴墓の見つかっている地域はA区とされていますが、地形に合わせ4つのパノラマ写真を作成しました。昨年調査の西側(さらに東西)、今年調査の東側(南北)に便宜上分けています。


まずは、線刻画の見つかっている区域 A区H27年度調査範囲北側


カラーコーンの並んでいるのが38号墓と墓道を共有している37号墓(右)39号墓(左)
左側の長い墓道が48号墓になります。
固めの地層と砂岩になりきれてない地層の境目くらいに造営されていることが多く、上下に造営されるパターンがほとんどありません。当日は時々雨が降っていましたが、写真の下側を見てもらえば分かるように流れ出した雨水が泥のようになっています。



入室は出来ないので、今回見学した方の写真はほぼ同じ感じだと思います。
事前に画像を見ていたので概ね分かりますが、気になるのは右側中段より下の穴?や平らにしようとした?跡。左側とずいぶん差があり、なんらかの意図があったのではという印象を受けました。


A区H27年度調査範囲南側


正面が51号墓。
地層の濃淡が分かりやすく、二層を又いて造営されていることが分かります。




A区H26年度調査範囲東側
左の墓道を持つ横穴墓が6号。
水平方向の造営。東側に向け地層に沿って下がっていっている状況。
寄棟式の横穴墓は写真右側。




A区H26年度調査範囲西側
写真道端に保管されている石が閉塞石。


お昼からの炎天下の中、400人を越える方が見学されていたようです。集団移転先ということでなかなか保存は難しいと思いますが、遺跡があったという記録はしっかりと残して欲しいものです。



見学者さん(学者さん?)の話などを聞いてて思ったこと。××地域のものと似ているという情報がどうしても人間の記憶に頼ってしまう点。学芸員さんもいろいろな年代の調査がありますから、よほどクリティカルにその時代に注力していなければ、仮に類例があったとしても見逃してしまいます。データが集まっていることが前提となりますが、横穴墓の3Dデータを1時間ほどでとる→データベースと比較し形状などの類例を検索するなどのことができれば技術伝播や年代想定が多少楽になるのかぁなと思います。