注意事項と3次元データの共有について

〇注意事項

3次元データのサイズによっては、高額な通信費用が発生します。Wi-Fi接続状態のスマートフォンまたは定額回線でのPCブラウザでの閲覧を推奨します。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを使用してみたい方へ

古墳や横穴式石室/横穴墓の3次元計測を行った記事は見つかるものの、取得データ自体に殆どアクセスできない3次元データ。レーザーやSfM/MVSと比べ粗いデータではありますが、使用してみたいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください。ただし、管理者/自治体との契約により、利活用が制限されている場合があります。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを引き継ぎたい方へ

個人の3次元データではありますが、複数の要因で立入ができなくなった横穴式石室/横穴墓が多くあります。今後、個人でのデータ管理が行えなくなる/デジタル遺品化することを考慮し、データ相続先の研究者さん団体さんを緩く募集します。

記事への秘匿コメント、Sketchfabアカウントへのメッセージ、ストリートビューの公開アカウントなどお好きな手順でご連絡ください。





2020年5月31日日曜日

香川県_観音寺市_大野原古墳群椀貸塚古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※四国最大級の石室を持つ椀貸塚古墳・・・なのですが、補強材のせいかあまり広くは感じません。(玄室長6.8m、高さ3.9mもあるのに)。比較的小型の石材で構成されていて、現存する大野原古墳群の大型古墳のなかでは一番古いようです。全長奥壁前には一段高くなった祭壇が設けられていて、敷き詰められた砂利の上にご神体?が安置されています。
石材の変位を示すマーカーが外れている個所もあるので、多少動いているんでしょうか。。。

構築順は
〇椀貸塚⇒岩倉塚⇒平塚⇒角塚

観音寺市が作成したVR(360度画像)では、補強材と石材の間に照明を設置して撮影しています。自身の作成方法(カメラ側に照明をつける)より、補強材の影は少ないので綺麗に撮影されています。一応、市のコンテンツとは被らない位置で撮影しました。

大野原古墳群 観音寺市 紹介コンテンツ
http://k-tourism.net/kanonji/sp/index.cfm

2020年5月28日木曜日

香川県_観音寺市_大野原古墳群岩倉塚古墳西石室(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※令和2年3月10日に大野原古墳群に加わった岩倉塚古墳。その西石室です。本来の墳丘は30m超もある大型の物ですが、墳丘らしき部分が残っているのは西石室の一部分となります。現状の入り口は本来の前壁位置に相当。前壁から玄門付近の石材が玄室側に落ち、階段状になっています。現状入り口天井石には、矢穴があったり後世の作成出ることが分かります。後世に投げ込まれた一字一石経が保管されていて狭く感じますが、母神母神鑵子塚古墳の玄室と同サイズです。

”直径700メートルの範囲内に4基の国指定古墳を有するという、見どころ
満載の同地域はこれから注目です!”という観音寺市コメント*1。狭い範囲での墳丘や大型横穴式石室の変遷は、色々な想像を掻き立てられ面白いです。

構築順は
椀貸塚⇒〇岩倉塚⇒平塚⇒角塚

岩倉塚古墳(大野原町大野原)の国史跡への指定について(観音寺市サイト)
https://www.city.kanonji.kagawa.jp/soshiki/30/23145.html

*1【大野原古墳群】説明用看板等の設置について
https://www.city.kanonji.kagawa.jp/soshiki/30/24667.html


2020年5月25日月曜日

天王山式横穴式石室を誰でも3次元で使えるようにする

熊本県のSketchfabアカウントに刺激され、ダウンロード可能/再利用自由にチャレンジ。史料掲載申請書などで自由利用が制限されている石室は対象外。再利用の制限がされていない石室で、2基を公開すると比較など面白そうな使い方ができる古墳として、赤坂天王山古墳と牧野古墳を選択しました。

石室比較に関しては以下の記事を参照してください。

〇同じ人たちが造った”かもしれない”石室

https://gadgetkofun.blogspot.com/2018/11/blog-post.html




ダウンロード可能にするにあたり、どこまで利用を許容するかという点で少し迷いましたが、CCBY4.0(クレジット表記を求める)のみとしました。利用者として、自主規制が欲しい場合には、以下の研究報告を参照してください。
 仲林篤史 2019a「埋蔵文化財・史跡整備におけ 3D の活 用と公開について」『第 1 回考古学・文化財のための データサイエンス・サロン予稿集』、pp.15-29、 http://hdl.handle.net/11177/7015

また、このデータを作成する元となっているRtabmapの.dbファイルを提供することもできます。.dbファイルには、ZenfoneARがどう動いたかを計算するために必要なデータが含まれており、Rtabmapの設定を変えることで点群やメッシュ、テクスチャー付きメッシュなど任意の3次元データを作成することができます。

研究者や測量技術をもった方々が作成する発掘調査報告書などの史料。素人が安価なデジタル機材を使用して記録する三次元データ。どちらが優れているというものではありません。使えると判断したデータは、使い倒してもらえばよいと思います。

どんな利用がされるかちょいと楽しみです。

2020年5月24日日曜日

愛媛県_今治市_野々瀬古墳群1号墳(七間塚古墳)(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※野々瀬古墳群の中では最大の石室をもつ七間塚古墳。ただ、開口部の床面が随分と埋まっているので、五間塚古墳に比べて大きいとは感じません。立柱が飛び出し、角塚型石室の類例として指摘されています。2020の春季攻勢でこの角塚型石室を持つ古墳を一巡りしてきました。

どうしても、朝倉南という所在地名が気になってしまう・・・

2020年5月23日土曜日

愛媛県_今治市_野々瀬古墳群12号墳(五間塚古墳)(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※暖斜面にポコポコと墳丘が連なり、そこかしこで石室開口部が開いていますが、最も大きい開口部をもつ五間塚古墳。七間塚古墳と比べても遜色ない石室を持っています。空間容積としては、こちらの方が大きいかも。現状の墳丘中心部より、石室は少しずれているように見えます。

天候が良く調子にのって墳丘も3次元化してみました。墳頂付近の撮れていない部分は、斜面が急で登れなかったから。また、説明板が二重になっているのは、周回前と周回後のデータ誤差のせい。石室前の測量ポールが墳丘と石室のデータ結合に役立ちました。

2020年5月21日木曜日

熊本県 日本初?のダウンロードできる古墳データを公開する



県を跨いでの移動が自粛を求めれられ、おいそれと出かけるわけにはいかない古墳見学。閉館している博物館や資料館がそれぞれ工夫を凝らした情報公開を進めています。古墳に関連するデータの閲覧も進んできているのですが、やはり閲覧が主体。そんな中で、ダウンロード可能、再利用可能な形で公開したSketchfabアカウントがありました。

施錠管理されている石室の3次元データも含まれるため、まず公式で間違いないでしょう。
ダウンロードしてみたところ、フォーマットにばらつきがあること・サイズ調整はされていないことなど、利用するには少し手を加えないといけない部分はあります。それでも、考古の3次元データがダウンロード可能になったのは、一つの画期だと思います。

墳丘の3次元計測を行った、横穴式石室の3次元計測を行った、3次元計測の結果を載せた研究報告・論文を見てきましたが、
3次元データはどこ?
の質問に公開していないという回答しかありませんでした。
(銀色の側壁立面図(メッシュ画像)は、3次元データではありません。)

今後、研究報告に3次元データが添付される、もしくは希望者に提供できるスキームが確立されているのが普通となればよいなぁと漠然と考えています。