注意事項と3次元データの共有について

〇注意事項

3次元データのサイズによっては、高額な通信費用が発生します。Wi-Fi接続状態のスマートフォンまたは定額回線でのPCブラウザでの閲覧を推奨します。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを使用してみたい方へ

古墳や横穴式石室/横穴墓の3次元計測を行った記事は見つかるものの、取得データ自体に殆どアクセスできない3次元データ。レーザーやSfM/MVSと比べ粗いデータではありますが、使用してみたいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください。ただし、管理者/自治体との契約により、利活用が制限されている場合があります。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを引き継ぎたい方へ

個人の3次元データではありますが、複数の要因で立入ができなくなった横穴式石室/横穴墓が多くあります。今後、個人でのデータ管理が行えなくなる/デジタル遺品化することを考慮し、データ相続先の研究者さん団体さんを緩く募集します。

記事への秘匿コメント、Sketchfabアカウントへのメッセージ、ストリートビューの公開アカウントなどお好きな手順でご連絡ください。





2020年12月9日水曜日

iPhone12ProMAX届く そして激しく踊る。

 すべての横穴式石室・横穴墓見学者に伝えたい


iPhone12ProまたはProMAXを買って見学に行こう

と。

1分あれば10m前後の横穴式石室であれば、測れる!

と。


次の動画は、全長10mの横穴式石室の中で、iPhone12ProMAXを振り回す動画です。

(激しく動くので酔います。詳しく見る必要はありません)



さて、この1分間で何ができたかというと、この点群データができました。



動画を撮影している方は分かると思いますが、ピントを合わせる為カメラの激しい動きや光量には気を使います。そういった細かいことを無視しして(多少の光量があれば)石室をこの短時間で測れるというのは、もはや異次元です。

現地説明会でスマホ構えているからといって、
写真や動画を撮ってる・・・と思わせて3次元化
なんてことも当然起こる訳で

非常に楽しそうです。

2020年11月6日金曜日

栃木県_上三川町_坂上北原遺跡5号墳(Ver1.0)

 ※発掘調査報告書が発行されていること確認できたため、3Dモデルを公開します。

栃木県上三川町東プレ栃木事業所敷地内にあった坂上北原遺跡_5号墳。壬生町や上三川町は、前方後円墳や大型円墳の1段目が広い下野型と呼ばれる古墳が多く所在しています地域。二段目より上が削られていますが、平面からは十分大型円墳の部類。ただ、他地域の大型円墳に感じる”こんもり”は随分と薄く、葺石の位置も違和感感じるんじゃないでしょうか。

2016年当時そこそこのスペックのPCとPix4DMeshで処理したものが少し出来が悪かったので、改めて2020のMetashapeで処理。元の画像もGoPro4なのでまぁぼちぼちですがずいぶんよくなりました。(ただ、当時はSfM/MVSソフトがカメラを保証・推奨していた気もするので、いまの有象無象のカメラ画像でやるよりかは意外と綺麗?)

Theta画像もあるんですが、すでに工場の建物ができているエリアに古墳画像を公開するのもアレなので自重。

2020年10月25日日曜日

奈良県_橿原市_菖蒲池古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。

※当時存在を知らなかった菖蒲池古墳。どうも一般人が入室した画像が見つからないと、見学対象から自然とはずれているような気が。そして、当然入れませんので柵越しにどこまで形状再現できるかのチャレンジです。手前側をRtabmapで測りざっくりした水平とサイズを、届かない場所は柵の隙間を移動しながらカメラでバシャバシャしたのちのSfM/MVS。Rtabmapのデータ(特に石棺あたり)を基準にサイズ合わせを行っています。

報告書をみると石室は岩屋山式。手持ちの岩屋山式石室群と並べてみると、格段に大きく(7.2m)次のグループ5.4m級を大きく凌駕しています。でも、構築石材は少し雑なんですよね~。

2020年10月13日火曜日

奈良県_桜井市_長瀬藪1号墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。

 

 ※桜井市の解説版はあるのに取り上げられることが少ない長瀬藪1号墳。畑に埋没している高家古墳群の盟主墳とされるだけあって、石室はかなりの大きさを誇ります。ただ、埋没しているとはいえ玄室長に対して玄室高さはそれほどでもなく、何となく岩屋山式を感じさせる部分もあるような無いような(奥壁2段で上の石が前傾)。石室研究だとどのくらいの位置に据えられているのでしょうかね。

2019年中ごろから出ているgoogleストリートビューの問題?により、当初ちゃんと繋がっていた石室内連結も破綻。青い輝点がgoogleマップ上に表示されないのでわかりづらいですが、ペグマンを古墳の場所に連れて行くと開口部と玄室の写真は生きているようです。

2020年10月5日月曜日

山梨県_甲府市_穴塚古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※大型石室を持つ万寿森古墳や加牟那塚古墳からそれほど離れていない荒川沿いに所在する穴塚古墳。他の方の写真でみると、よくある最奥付近だけが残っている小型石室かな?とも見えるのですが、実際に伺ってみると、高さは2m近く幅もそれ以上となかなかの大型石室。なにより、奥壁が二枚のばかうけ状の石材でできているのもなかなかお茶目です。


2020年9月30日水曜日

本格的に動き出したとりあえず3次元録っとく。

次期 iPhoneの発表は少し先のようですが、Lidar付きiPad関連でどんどんと3次元スキャンアプリが出ています。

Apple社LiDAR搭載iPad Proによる3D点群スキャンアプリのリリースについて( PronoHearts,Inc)


私自身はまだ使用していませんが、Twitterなどで見る限り対象は数m~数十m規模が得意そう。地下街ひとブロックを周回して戻ってきて、20㎝程ずれているというのもZenfoneARと同じ感じですね。

Sketchfabにも続々と”撮ってみた”的なデータが上がっていています。スキャンすることが単体で写真並みになることは無いと考えていますが、スキャンを必要とするサービスがブレイクするようなことがあれば、どれだけ空間が撮れられていくか分かりません(IngressやポケモンGOのように)

どのように対応すべきか、物理的に所有している方々の考える時間は少ないと思います。

2020年9月13日日曜日

徳島県_つるぎ町_江ノ脇古墳(Ver2.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※美馬市ではなく、吉野川右岸のつるぎ町に所在する江ノ脇古墳。段ノ塚穴型としては小型ですが、初期グループではなく終盤のグループ。平面が随分と長方形になっていますが、他の中型段ノ塚穴から棚をとって小型化した感じです。

墳丘の反対側は戦争時の対空監視所のコンクリートが残っていて、ある意味複合遺跡になっています。

2020年8月25日火曜日

宮崎県_西都市_千畑古墳(Ver2.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※元旦に潜るという荒行?場所に選ばれてしまった千畑古墳。宮崎県で自由に入れる横穴式石室といえばここしかないのです?相変わらず前方後円墳とは分からない墳丘と優美な畿内式の石室ですが、3次元モデルを観察すると羨道が少し曲がり気味だったりするなどすこし雑にも見えます。本場?の畿内の石室と比べると分が悪いのは当然なのですが・・・

この地域は、台地上の茶臼原古墳群とさらには横穴墓も多数ある地域なのですが、どうも崖面に木材切り出し用の道が付けられていたりと数年前から様変わりしています。杉の盗伐なども横行しているようなので、心配になりました。

なお全天球写真は、2016年に撮影したものなので3次元データの記録日とは異なります。

2020年8月22日土曜日

宮崎県_西都市_西都原古墳群206号墳(鬼の窟古墳)(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※西都原古墳群の中で唯一横穴式石室を見学できる鬼の窟古墳。そこまで大きい古墳ではないですが、周辺が平らな上に大型の古墳が無いため遠くからでも帽子のような墳丘を見つけることができます。墳丘も石室も復元整備されています。(どこかで、墳丘に松が生えている写真を見たような)

宮崎では珍しい横穴式石室ですが、そこまで高くない天井/玄室幅羨道幅がそこまで変わらない/長い羨道など、奈良周辺の終末期古墳に採用されているような形状をしています。宮崎県で残りの良い石室って大抵が畿内型の石室なんですよねぇ。。。

2020年8月15日土曜日

どこの古墳に行ったか、ひなたGISでまとめてみる

 見学した古墳/横穴墓をリストでまとめてはいるのですが、どうも一目でどこに行ったが分かりずらいので地図にポチポチプロットすることにしました。古墳界隈で良く使われるGoogleMapのマイマップではなく、宮崎県が公開している”ひなたGIS”を使用。

エクセルで、名前やら位置やらどういうデータを取得したか/データ公開の可否などを元々あったデータから引っ張ってきたりしながら作成。

ひなたGIS 2017年度下期以降一度でも見学した古墳/横穴墓でデータ公開可能な古墳/横穴墓地図

(地図データ:地理院_淡色地図、出典:国土地理院)

https://hgis.pref.miyazaki.lg.jp/hinata/hinata.html#DCcFQs0mkdax

青丸が古墳や横穴墓。

黒丸はそれ以外。

丸をクリックすると、名前やSketchfabへのリンクが表示されます。

普通の地図だけでなく、傾斜図やCS図、赤色立体地図などを重ねても閲覧できるのでなかなかに楽しいです。


2020年8月9日日曜日

山口県_防府市_大日古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。

※どうしてこんなところに岩屋山式石室が?となる防府市大日古墳。玄室長と羨道長や玄室幅と羨道幅の比など、形状からして類似する点は多く感じられます。戦前に同じ先生が測ったせいか、羨道の一番奥あたりに朱線が引いてあるんですよね~

お正月の時期に伺いましたが、入り口の石組にしめ縄が飾ってあるなど地元の方々からも大切にされている様子がうかがえました。

2020年8月1日土曜日

山口県_防府市_岩畠古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※角塚型石室の一つ、岩畠古墳。玄門立柱石が羨道側に飛び出るという特徴を持っていますが、空間はかっちり直方体。奥壁に大きな一枚岩を据えていて、広島の東側 備後のあたりの石室にも似ているような印象も受けます。奥壁が赤いのも少し赤いのも、その印象を強くします。


2020年7月18日土曜日

広島県_三原市_梅木平古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※広島県で最大級の石室を持つ梅木平古墳。石棺や出土品の優美な方が国指定になってしまってちょっと残念感のある古墳ですが、大きいことはよいことです。羨道となっているところは、袖のように張り出している部分があり、他の角塚型のように前室の可能性もあるのでしょうか。そうなると、さらに長大だったことになります。

なお、県のHPには”玄室と羨道部の天井部の高さの差が著しい”とありますが、3次元データで見てみると羨道部(前室?)は床面が埋まっている、もしくは玄室が掘り下げられている形になっています。これも、どちらかというと大野原古墳群の椀貸塚古墳に近い気がします。

2020年7月14日火曜日

広島県_三原市_黒谷古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※石棚のある黒谷古墳ですが、棚部分の幅が広がっていて玄室の上半分だけをとってみるとT字ともいえる特異な形です。この形状を写真や全天球で表現するのは難しく、3次元データの出番といった印象です。入り口側天井石を支える側壁に番号の降ってあるガムテープが張ってあるのですが、復元した箇所があるのでしょうか。。。

SfM/MVS版の黒谷古墳を”kohun”さんが作成されています。特異な形状をこのモデルで知り、近くに寄った?ので見学してみました。

2020年7月3日金曜日

奥行を測る専用センサーとAPIが戻ってきたスマートフォンたち

ZenfoneARというこなれた機材が潤沢にあるため、のんびり推移を見ていたLidar付きiPadですが、ARkitのバージョンアップに伴い大きな動きがありました。

ARkit 4
https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2020/10611

前バージョンまでは計測したデータ自体を扱うことができず3Dスキャナーとしての使い方は、ほとんどできない状態でした。奥行のデータをARkit4から扱えるようになったため、早速サンプル等を使用して自室やお仕事環境を撮影されている方がでてきています。

当然以前から技術を持っていた会社は、Lidar付きiPad向けのアプリやサービスを早速リリースしてきています。



AR界隈や建築界隈が盛り上がってくれば、当然Android側も対応。

Depth API overview for Unity
https://developers.google.com/ar/develop/unity/depth/overview

こちらも開発者は、すぐに対応してきます。

3D Scanner for ARCore(早期アクセス)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.lvonasek.arcore3dscanner&hl=ja

End of support for devices without DepthAPIというコメントがある様に、次回のアップデートでDepthAPIに対応しより精度の高い3次元モデルを作成できるようになることが期待されます。

Androidスマートフォンでも、高級機にはDepthセンサーが付いている機種はそこそこあります。(GalaxyとかXperiaとか)それらの機種が、ARCore対応かつDepthAPIになると、一気に3Dスキャンをする方が増えるのではないかなぁと。


余談
スマートフォンが一般化し、どこでも写真・動画が撮れるとして問題になったことは、この3Dスキャンという機能とデータが容易に使えるアプリの出現で、同じようなことが起こってくる・・・かも。

2020年7月2日木曜日

広島県_三原市_溜箭古墳石棺身(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。

※すでに墳丘は無い溜箭古墳ですが、そこから出土したと伝えられる家形石棺が二か所に分かれて保存されています。棺身の方は、沼田西町の長円寺に。水道設備が追加されたり足が作られたり?と改変はされていますが、十分綺麗な状態です。冬とはいえ、直射日光下でのスキャンなので、点群がかなり荒れています。時間があればSfM/MVSも実施したかったですが、地面との隙間がそれほどないため照明と枚数がしっかり必要かもしれません。

こちらでも。。。
棺蓋と棺身を合体させたモデル。棺蓋と棺身の小口方向が判別できないため、何となくでくっつけています。もし、同じ古墳から出土して別の場所に保管されていて仮想的な合体でもよければ撮りに行きますよ!?

2020年6月28日日曜日

広島県_三原市_溜箭古墳石棺蓋(Ver1.0)



 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※すでに墳丘は無い溜箭古墳ですが、そこから出土したと伝えられる家形石棺が二か所に分かれて保存されています。棺蓋の方は、沼田西町松江の常盤神社境内に。保管施設が無い割には、表面が綺麗な状態。内側に水が溜まっていましたが、光がちゃんと透過したようで内径も何となく撮れている感じです。

バーチャルですが、合体させましたよー
http://kofuntokaare.tonosama.jp/page750.html

2020年6月20日土曜日

広島県_福山市_大佐山2号墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※大佐山白塚古墳から南東に20mくらいに位置する大佐山2号墳。全天球写真を撮り忘れました。3Dモデルサムネイル右側に写っている石材が、全天球中央付近の石材となります。

石室のサイズが小さく漆喰も使用されていませんが、石材隙間がほとんど記録されていないことや天井石のサイズが統一したサイズで作られているようにも見えたりと単なる無袖石室ではない印象です。他の古墳の露出している天井石や側壁石材の埋まっている面も平らになっていて侮れません。やっぱりこの地域の石室、面白いですね。

2020年6月18日木曜日

広島県_福山市_大佐山白塚古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※見晴らしの良い場所に鎮座する大佐山白塚古墳。大坊古墳に比べると、石室は小ぶりです。大坊古墳では天井石と一体だった仕切り天井部分が、天井石とは別個の石材が懸架されています。仕切りから開口部側の側壁材も同じ高さに同じような石材が使われていて、シンメトリー感があります。

残念ながら良い天気過ぎて、この大佐山白塚古墳と2号墳以外の記録に失敗しました。全天球で確認できますが、斜面に沿って数基の石室が露出しています。石材厚なども見学することができます。

東屋への遊歩道は、近年の豪雨の為か崩落しています(2020/03時点)随分遠回りにはなりますが、駐車場から南東に周る道を歩いたほうが安全そうです。

2020年6月16日火曜日

広島県_福山市_大坊古墳(Ver2.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※二回目の福山市大坊古墳。こちらも、角塚型制圧見学?の一環です。StructureSensorによる1回目の3Dスキャンもすでに5年前なんですねぇ。改めて、調整している石材がほとんどなく一枚岩で構成されている石室に圧倒されます。SfM/MVSだと形状として出てこない石材隙間の暗い部分もSLAMだと黒い点群で表現されるのですが、この石室ではほとんどそれが見えません。

全天球も更新しようと予定していましたが、アクシデントにより時間切れ。この福山~三原辺りは、多様な石室がありじっくりと攻めたい地域です。

余談ですが、この大坊古墳の3Dモデルを始めとして入り口から奥を写したサムネイルを使用するとSketcfabでのアクセスが上がる気がします。

2020年6月9日火曜日

CS立体図など1mメッシュのデータが古墳見学に使える

各自治体で進むオープンデータ。古墳に関係するデータが文化財を担当している部署以外から、がっつり提示されることが多々あります。私が把握している1mCS立体地図が広域で公開されている県は、静岡県・岐阜県(濃尾平野以外が1m)・兵庫県の3県。(長野県も?)

とくに兵庫県はDEMデータなども公開されており、見る以外のことにも使用できます。

単に樹木を剥いたデータを上から見るだけでも既存の5mメッシュのデータと比べると、雲泥の差。上記の画像は、養父市大藪古墳群ですが主要な4基どころか野塚支群の20基。さらには、高さの無い道林支群の個々の墳丘まで判別できるレベルであることが分かります。
何より古墳見学にとって特筆すべきは、遺跡地図でも位置が判然としない古墳の位置まで明瞭に確認できるという点でしょう。野塚支群の僅か数十m北東に横穴式石室を保有する古墳があることが分かっていたなら、そこまで足を延ばした見学者がいたかもしれません。



3次元データなので任意の俯瞰で見ることも容易。左側一番手前の禁裡塚古墳はもちろん、野塚支群全基(20基)の個別の高さも判別することができます。

前述のデータ群は、以下のWEBサイトにて公開されています。
・G空間情報センター


データを扱うのが難しい方は、宮崎県が公開しているひなたGISで各県のCS立体図が取り込まれていますので、ブラウザで閲覧するのが容易です。
・宮崎県 ひなたGIS

ひなたGISへ⇒右上の”背景”⇒立体図・地質・地形等フォルダ⇒○○県CS立体図で閲覧することができます。

国土地理院の10mCSや傾斜図よりはるかに高精細です。40m以下の前方後円墳を見つけることも容易いかも。

2020年6月7日日曜日

香川県_観音寺市_母神鑵子塚古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※運動公園内に所在する母神鑵子塚古墳。一人、古墳の中でウンウン言いながら、見学運動?しておりました。入り口から玄門付近までコンクリートの保護天井があり、石室を保護しています(点群にもわずかに表現されています)。岩倉塚古墳石室とサイズや天井石懸架数、まぐさ石のサイズなどが似通っていて、大野原古墳群との関連がうかがえます。(車で10分ほどの距離)

2020年6月5日金曜日

香川県_観音寺市_大野原古墳群角塚古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※大野原古墳群唯一の大型方墳である角塚古墳。石室石材の大型化も頂点に。玄室と前室の天井高差はわずかになり、岡山西部や広島東部にある前後室が同じサイズの石室に形状が近くなります。なぜに、角塚と形式名としたんでしょうね。(横穴式石室構造の地域別比較研究 中・四国編に記載がある?)

構築順は
椀貸塚⇒岩倉塚⇒平塚⇒〇角塚

大野原古墳群 観音寺市 紹介コンテンツ
http://k-tourism.net/kanonji/sp/index.cfm

2020年6月2日火曜日

香川県_観音寺市_大野原古墳群平塚古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。




※こちらも補強が激しい平塚古墳。玄室と前室の天井高さに差が少なくなり、最大幅もあと一息で同一というところまで来ています。準備していた玄門のまぐさ石が予想より大きく玄門立柱だけでは支えきれないと思ったのか、玄室側の石材が飛び出す形でまぐさ石を受けています(力学的に有効なのか?)前室玄室側を撮影するころには、日没ジャストくらい。ずいぶんと暗い様子が写っています。

構築順は
椀貸塚⇒岩倉塚⇒〇平塚⇒角塚

せっかくストリートビューが上手く繋がったなのに、map上の青輝点が古墳の上に表示されないという残念な事態になりました。

大野原古墳群 観音寺市 紹介コンテンツ
http://k-tourism.net/kanonji/sp/index.cfm

2020年5月31日日曜日

香川県_観音寺市_大野原古墳群椀貸塚古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※四国最大級の石室を持つ椀貸塚古墳・・・なのですが、補強材のせいかあまり広くは感じません。(玄室長6.8m、高さ3.9mもあるのに)。比較的小型の石材で構成されていて、現存する大野原古墳群の大型古墳のなかでは一番古いようです。全長奥壁前には一段高くなった祭壇が設けられていて、敷き詰められた砂利の上にご神体?が安置されています。
石材の変位を示すマーカーが外れている個所もあるので、多少動いているんでしょうか。。。

構築順は
〇椀貸塚⇒岩倉塚⇒平塚⇒角塚

観音寺市が作成したVR(360度画像)では、補強材と石材の間に照明を設置して撮影しています。自身の作成方法(カメラ側に照明をつける)より、補強材の影は少ないので綺麗に撮影されています。一応、市のコンテンツとは被らない位置で撮影しました。

大野原古墳群 観音寺市 紹介コンテンツ
http://k-tourism.net/kanonji/sp/index.cfm

2020年5月28日木曜日

香川県_観音寺市_大野原古墳群岩倉塚古墳西石室(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※令和2年3月10日に大野原古墳群に加わった岩倉塚古墳。その西石室です。本来の墳丘は30m超もある大型の物ですが、墳丘らしき部分が残っているのは西石室の一部分となります。現状の入り口は本来の前壁位置に相当。前壁から玄門付近の石材が玄室側に落ち、階段状になっています。現状入り口天井石には、矢穴があったり後世の作成出ることが分かります。後世に投げ込まれた一字一石経が保管されていて狭く感じますが、母神母神鑵子塚古墳の玄室と同サイズです。

”直径700メートルの範囲内に4基の国指定古墳を有するという、見どころ
満載の同地域はこれから注目です!”という観音寺市コメント*1。狭い範囲での墳丘や大型横穴式石室の変遷は、色々な想像を掻き立てられ面白いです。

構築順は
椀貸塚⇒〇岩倉塚⇒平塚⇒角塚

岩倉塚古墳(大野原町大野原)の国史跡への指定について(観音寺市サイト)
https://www.city.kanonji.kagawa.jp/soshiki/30/23145.html

*1【大野原古墳群】説明用看板等の設置について
https://www.city.kanonji.kagawa.jp/soshiki/30/24667.html


2020年5月25日月曜日

天王山式横穴式石室を誰でも3次元で使えるようにする

熊本県のSketchfabアカウントに刺激され、ダウンロード可能/再利用自由にチャレンジ。史料掲載申請書などで自由利用が制限されている石室は対象外。再利用の制限がされていない石室で、2基を公開すると比較など面白そうな使い方ができる古墳として、赤坂天王山古墳と牧野古墳を選択しました。

石室比較に関しては以下の記事を参照してください。

〇同じ人たちが造った”かもしれない”石室

https://gadgetkofun.blogspot.com/2018/11/blog-post.html




ダウンロード可能にするにあたり、どこまで利用を許容するかという点で少し迷いましたが、CCBY4.0(クレジット表記を求める)のみとしました。利用者として、自主規制が欲しい場合には、以下の研究報告を参照してください。
 仲林篤史 2019a「埋蔵文化財・史跡整備におけ 3D の活 用と公開について」『第 1 回考古学・文化財のための データサイエンス・サロン予稿集』、pp.15-29、 http://hdl.handle.net/11177/7015

また、このデータを作成する元となっているRtabmapの.dbファイルを提供することもできます。.dbファイルには、ZenfoneARがどう動いたかを計算するために必要なデータが含まれており、Rtabmapの設定を変えることで点群やメッシュ、テクスチャー付きメッシュなど任意の3次元データを作成することができます。

研究者や測量技術をもった方々が作成する発掘調査報告書などの史料。素人が安価なデジタル機材を使用して記録する三次元データ。どちらが優れているというものではありません。使えると判断したデータは、使い倒してもらえばよいと思います。

どんな利用がされるかちょいと楽しみです。

2020年5月24日日曜日

愛媛県_今治市_野々瀬古墳群1号墳(七間塚古墳)(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※野々瀬古墳群の中では最大の石室をもつ七間塚古墳。ただ、開口部の床面が随分と埋まっているので、五間塚古墳に比べて大きいとは感じません。立柱が飛び出し、角塚型石室の類例として指摘されています。2020の春季攻勢でこの角塚型石室を持つ古墳を一巡りしてきました。

どうしても、朝倉南という所在地名が気になってしまう・・・

2020年5月23日土曜日

愛媛県_今治市_野々瀬古墳群12号墳(五間塚古墳)(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※暖斜面にポコポコと墳丘が連なり、そこかしこで石室開口部が開いていますが、最も大きい開口部をもつ五間塚古墳。七間塚古墳と比べても遜色ない石室を持っています。空間容積としては、こちらの方が大きいかも。現状の墳丘中心部より、石室は少しずれているように見えます。

天候が良く調子にのって墳丘も3次元化してみました。墳頂付近の撮れていない部分は、斜面が急で登れなかったから。また、説明板が二重になっているのは、周回前と周回後のデータ誤差のせい。石室前の測量ポールが墳丘と石室のデータ結合に役立ちました。

2020年5月21日木曜日

熊本県 日本初?のダウンロードできる古墳データを公開する



県を跨いでの移動が自粛を求めれられ、おいそれと出かけるわけにはいかない古墳見学。閉館している博物館や資料館がそれぞれ工夫を凝らした情報公開を進めています。古墳に関連するデータの閲覧も進んできているのですが、やはり閲覧が主体。そんな中で、ダウンロード可能、再利用可能な形で公開したSketchfabアカウントがありました。

施錠管理されている石室の3次元データも含まれるため、まず公式で間違いないでしょう。
ダウンロードしてみたところ、フォーマットにばらつきがあること・サイズ調整はされていないことなど、利用するには少し手を加えないといけない部分はあります。それでも、考古の3次元データがダウンロード可能になったのは、一つの画期だと思います。

墳丘の3次元計測を行った、横穴式石室の3次元計測を行った、3次元計測の結果を載せた研究報告・論文を見てきましたが、
3次元データはどこ?
の質問に公開していないという回答しかありませんでした。
(銀色の側壁立面図(メッシュ画像)は、3次元データではありません。)

今後、研究報告に3次元データが添付される、もしくは希望者に提供できるスキームが確立されているのが普通となればよいなぁと漠然と考えています。

2020年4月18日土曜日

インターネット上の情報だけで論文は書けるのか?

私の趣味データ使いたいやつ、出てこいや!


4月に入り外出への自粛要請がでるなど、世界が随分と変わりました。私見ですが、2020年度の古墳見学はもう実施できないか、よほどの制限が付く状況となるでしょう。

これは、古墳に携わる学生や研究者も同様の事態ではないのでしょうか。図書館/資料館/発掘現場など現物史料に接する機会はすべて失われ、オンラインを除けばアクセス可能なのは所有する紙史料のみという状況。史料を購入するにしても、資金面の問題が発生する。所属する組織にオンラインストレージがあり、そこに膨大なデジタルデータがあれば別ですが・・・

ということで、趣味のデジタルデータではありますが、卒論/修論/研究などに使いたいという方がいらっしゃればデータを提供します。

以下は提供できるデータの内容です。
 〇墳丘/横穴式石室/横穴墓の3次元データ
  ・3次元化付き見学初期のStructureSensorを使用したもの
  ・Pix4DMeshやMetashape(Photoscan)で作成したもの及びその素材画像
  ・ZenfoneAR+Rtabmapで記録できているデータ
   ⇒.dbに格納されている3次元データ/画像データ/ROSデータ等

 〇墳丘/横穴式石室/横穴墓の全天球写真
  ・Theta/ThetaSで撮影したもの
  ・ImageCompositeEditorで作成したものおよびその素材画像
  ・Pixel3の標準写真アプリで作成したもの

 〇Reflectance Transformation Imaging (RTI)
  ・線刻や工作痕明瞭化のために処理したRTIデータ及びその素材画像

Sketchfabアカウントのhttps://sketchfab.com/nonakasabuで公開されて行古墳については、上記3点のいずれかのデータがあります。また、このブログの下の方にある”記事化待ち古墳の皆さん”も同様です。

なお、東京学芸大学/茨城大学については、2016年度の壬生車塚古墳全トレンチおよび石室のSfM/MVS可能な画像。調査域の全天球画像。土師器片の検出したトレンチについては、2015年/2016年夏/2017冬現地説明会時のSfM/MVS可能な画像があります。

あと、非公開のデータもあります。あの地域を周っているのに、○○古墳は見学してないの?と思ったら、お尋ねください。あるかもしれません。

本来であれば、すべてのデータ、特に3次元データをオープンアクセスするのが有効なのでしょうが、見学を行うにあたり自治体や所有者と取得データの利活用について制限がかかることが多々あります。古墳ごとに状況が異なりますので、調整が発生することがあります。

連絡は、記事への秘匿コメント、SketchfabアカウントへのCONTACT(フォローボタンの隣)、ストリートビューの公開アカウントなどお好きな手順でご連絡ください。

2020年3月19日木曜日

iPad Proで古墳は測れるか?

新しいiPad ProにLiDARが載りました。

https://www.apple.com/jp/ipad-pro/

Depthセンサー(奥行測れる)とかLiDAR(光で奥行測れる)とか、分野によっていろいろ呼ばれ方はあるようですが、やれることは概ね一緒。

ただし、ハードウェアが付いたからと言って、すぐに3次元計測できるというわけではありません。自身がアプリ開発者でなければ、
良さげなアプリが出るまで待ちましょう。

計測最大範囲は5mということですが、最小範囲は記載されていません。未知な部分が多いので、AR/VR界隈の仕事人(人柱?)さんたちの情報を見てからの購入でも遅くはないと思います。また、暗い場所を計測の対象にするとiPad ProとLEDライトなどを一体化させるハンドルグリップなども必要になります。

むしろ気になるのは、これで特殊端末(ZenfoneARとかPhab2Proとか)ではなく一般人でも手に入る機械に3次元計測が付いたこと。資料館でiPadを使って写真を撮っていると思ったら3次元計測している・・・みたいな出来事があと一週間後に迫っています。

SNS公開OKに、3次元データは含まれますか?



2020年2月17日月曜日

ストリートビューが壊れる

2019年の10月ごろから始まっているストリートビュー(個人/法人が作成したもの)の壊滅的状況。いままで登録した全天球写真が”拒否済み”になったり連結が破綻したりと、googleさんなかなかの暴れっぷり。


管理者からはGoogleマップ拒否済みになって暗転しているものが、現状公開がされていないストリートビュー。閲覧ユーザーからは、変な位置に青輝点ができたり、矢印が変な方向を向いていたり、矢印が表示されなくなったりという見え方です。

2020年に入って状況は変わらず、なかなか思うように全天球写真が登録できていません。代替のサービスはいくつかあるものの、連結やらの使い勝手はストリートビューに及びません。

ブログの記事にできていない古墳も、3次元データは着々と登録しているのでお急ぎの方?は、Sketchfabを参照してください。