注意事項と3次元データの共有について

〇注意事項

3次元データのサイズによっては、高額な通信費用が発生します。Wi-Fi接続状態のスマートフォンまたは定額回線でのPCブラウザでの閲覧を推奨します。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを使用してみたい方へ

古墳や横穴式石室/横穴墓の3次元計測を行った記事は見つかるものの、取得データ自体に殆どアクセスできない3次元データ。レーザーやSfM/MVSと比べ粗いデータではありますが、使用してみたいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください。ただし、管理者/自治体との契約により、利活用が制限されている場合があります。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを引き継ぎたい方へ

個人の3次元データではありますが、複数の要因で立入ができなくなった横穴式石室/横穴墓が多くあります。今後、個人でのデータ管理が行えなくなる/デジタル遺品化することを考慮し、データ相続先の研究者さん団体さんを緩く募集します。

記事への秘匿コメント、Sketchfabアカウントへのメッセージ、ストリートビューの公開アカウントなどお好きな手順でご連絡ください。





2016年4月28日木曜日

Pix4DmapperMeshを使って墳丘の3D化にも手を出し始める。

古墳界隈の方なら一度は目にしたことがありそうな
アジア航測様の箸墓・西殿塚古墳赤色立体図。

似たようなものが出来ないかなと、ついに高価な画像処理ソフト(+必要な機材)に手を出してしまいました。


















1年レンタルしてしまったのは、Pix4DMapperMesh。
Pix4DMapperProをGoProやDJI_Drone専用にした機能限定版です。

さらにGoProHero4Silverなどもそろえて、前方後円墳にチャレンジした結果が上の画像です。
対象は60m程度の復元整備された前方後円墳。細かく見るとずれているところもあるのですが、一人作業+ソフト側の細かい設定なしでここまで出来れば十分ではないでしょうか?



















そして、SketchfabのMatcapモードで閲覧すれば、赤色立体地図っぽい古墳画像に!
(前方部角の形が違う、地形的に右側が僅かに低い?)

アジア航測様のようにレーザーをバンバン打ってというわけではないので、画像に木々が写れば墳丘の形は曖昧になります。整備されている古墳や植生がほとんど無い古墳、発掘調査中の古墳などには合う技術ですが実際にやってみるといろいろと問題も出そうです。試行錯誤しながら古墳3Dモデルを作ってみたいと思います。


2016年4月24日日曜日

イギリス_オークニー諸島_Cuween Hill Chambered Tomb

Sketchfabのフォロワーさんが美しい古墳を投稿されていたので、思わず展開。





初見でイギリスにも山寄せっぽい古墳あるんだーと調べててみて年代が格段に古い!!
紀元前3000年というピラミッドより古いイギリスのお墓です。。。

一部を切り出してみると岩橋千塚古墳の玄室にも見えますが、床面プランは特徴的。
主室から副室が4つ張り出し、奥側の副室にはさらに副副室?が付くという日本では聞いたことの無いような構造です。これは3Dという表現が一番わかりやすいと思います。

ソフトウェアは先日の殿山横穴墓3号墓?と同じAgisoft。
Canon 70dで撮影した1200枚の画像から構築できたようですが、これほどのものが出来るとなると遺跡調査記録の主流として定着していくかもしれませんね。
(それなりに知っている人+Canon70d+画像処理ソフト vs 測量技術のある人+レーザー3Dスキャナ+点群処理ソフト  カメラのほうが安価だなぁ)





埋葬主体が残る古墳もここまですると”KOFUN”を説明しやすいと思います。
墳丘もなんとか測量して3D化したくなってきました。

2016年4月12日火曜日

東京都_世田谷区_殿山横穴墓群3号墓かな?だったのかな?

Sketchfabで”Kofun”を検索してみると、なんだか見慣れぬものが。
なんと”kofun”の名称を使う登録者(aji_osa様)が現れたのでした!!

”kofun”を使うのは日本以外にある支石墓などの古代のお墓と区別するためでもありましたが、まさかの遭遇です。




登録されているタグから、使用しているソフトはAgisoftPhotoscan”
カラーコーンの反対側の処理などからレーザーではなく画像処理系のソフトで処理されていることが予想されますが、それにしても玄室奥壁などの再現が美しいです。照明器具などが設置されていないことや色調が一定で明るめで再現されていることから、高解像度のカメラでフラッシュ撮影したのでしょうか。またブルーシート裏もちゃんと記録されていて、画像処理系の3D化に精通されている方なのかも。内外にマーカーらしきものが設置されていることから、見学ついでの3D化ではなく正式なお仕事なのかなぁなどといろいろ興味は尽きません。

kofunとしか記載が無くどちらの横穴墓か推測でしかありませんが、東京都世田谷区殿山横穴墓群3号墓と予想。
床面プランから、なんとなく千葉茨城側じゃない関東を想像。横穴墓の3D化を最近おこなったという検索から殿山横穴墓群が見つかりました。羽子板形状の横穴墓があるという記事、現地説明会参加者さんの撮影画像から3号墓じゃないかな~というところです。

殿山横穴墓群と仮定してですが、文化財とはいえ17基の横穴墓を発掘調査を行ったうえでさらに3次元記録するというのは特筆する出土品や装飾のない横穴墓としては破格の待遇でしょう。
さらに発掘調査報告書にどうやって3次元データを添付するのか、ものすごく気になります。

このデータの出所について詳しい情報(そこじゃないXX横穴墓だよ!、報告会で使われたよ!)を募集してます。


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4/24 追記

おととい位から”殿山”のキーワードで検索されている方が多数アクセスされています。
と、同時にaji_osa様のアカウントが削除されてしまいました。
(前述のリンクは404になっています)

考えられる状況として、
殿山横穴墓群に興味のある方/または発掘関係者に、この記事が発見された。”殿山横穴墓群3号”が当たっていて、発掘関係者がデータの出元を調査した。(&sketchfabへのアクセスが多くなってた)。閲覧できるかを試しているなどのデータで、実際は公開の許可などが微妙。アカウント削除?
という流れでしょうか。(まったくの想像です)

殿山横穴墓群というのが当たっていた仮定で、
文化財記録にITの活用(横穴墓の復元が可能な3Dデータ)
画像解析からの3D化(ドローンなどでさらに注目)
文化財のVR活用(SketchfabはデフォルトでVR化してくれる)
など昨今のキーワードを満たすコンテンツを現地説明会からそれほど期間をおかない2015年末にはリリースできていたわけで、非常に勿体無い気がします。

公式なデータであれば、どこかのタイミングで発表はされると思うのですが・・・

2016年4月10日日曜日

群馬県_安中市_磯貝塚古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA

※民家の庭先にある磯貝塚古墳。群馬の古墳はお屋敷に取り込まれているパターンが多い気がします。台地上にあるにもかかわらず、大きい石材を使用しています。群馬県内の似ている石室と比べて袖の出っ張りが大きいかな。

開口部は直射日光でスキャンできず残念・・・


個人のお宅の庭先にあるため、ストリートビュー登録は行っていません。場所も安中市としています。

2016年4月7日木曜日

また似ている石室を比較してみよう。高崎市観音塚古墳と安中市野殿天王塚古墳

”石室の構造から高崎市八幡町の観音塚古墳(6世紀末~7世紀初頭)の影響が見られ、6世紀末葉~7世紀初頭の築造と考えられます。”
安中市市内文化財の詳細 野殿天王塚古墳の項より引用

安中市の文化財説明では、観音塚古墳→野殿天王塚古墳を想定しているような記載がされていました。せっかく、どちらの3Dモデルも出来たので簡単に比較して見ましょう。















左:野殿天王塚古墳(1.45倍)
右:観音塚古墳(原寸)

Sketchfabでもよく設定している入口斜め45度くらいからの俯瞰図。
この段階でもなんとなく似ています。















上:観音塚古墳(原寸)
下:野殿天王塚古墳(1.45倍)

玄室のサイズが合うかなと、倍率を変えていたらまたもや1.45倍でなんとなくいい感じ。玄室サイズだけでなく天井や床面が入口に向かって細くなる箇所・現在の開口部も似ている場所になりました。観音塚古墳で特徴的な羨道部の石梁?にも似た構造を野殿天王塚古墳も持っています。

全般に観音塚古墳石室と比べ、石材の隙間、特に天井石の隣接部分に技術の未熟さが見える気がします。
















左:観音塚古墳(原寸)
右:野殿天王塚古墳(1.45倍)

どちらも奥壁は二枚構成。下に大きいもの、その上に横長の石材。全高も現状同じような感じ。















上:観音塚古墳(原寸)
下:野殿天王塚古墳(1.45倍)

玄室は全長・全幅ともにそっくり。現状の床面形状だけは野殿天王塚古墳のほうが直線的です。どちらの古墳も奥壁は丸みを帯びているため側壁に向けて突き出した形になっています。


観音塚古墳を含む八幡古墳群は、観音塚古墳を最後に首長系譜が途切れているといわれています。ほぼ同じ時期、お互いを望める位置にある古墳、関連が指摘されている石室。小さなエリアでも残ってる遺跡から面白そうなストーリーが描けそうですね。







2016年4月5日火曜日

群馬県_安中市_野殿天王塚古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA




※羨道部分の天井や床面段差など特徴のある石室。俯瞰だと無袖羽子板にも見えてくる形状ですが、中から見るとしっかり両袖。なんとなく近く?の観音塚古墳石室な感じを受けました。

入口の補修コンクリートからは外側に向けて錆びた鉄筋がむき出し・・・中のゴマ粒さんも相当な数なのでいろいろ注意が必要です。


2016年4月3日日曜日

岡山県_赤磐市_鳥取上高塚古墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※玄室長だけを見るなら石舞台古墳にも匹敵する市指定鳥取上高塚古墳。このクラスになってくると、3DスキャンやLEDランタンの光が届きづらくなって3分割しないと玄室を全体スキャンできません。吉備は一体、いくつの巨大石室があるのでしょうね・・・