注意事項と3次元データの共有について

〇注意事項

3次元データのサイズによっては、高額な通信費用が発生します。Wi-Fi接続状態のスマートフォンまたは定額回線でのPCブラウザでの閲覧を推奨します。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを使用してみたい方へ

古墳や横穴式石室/横穴墓の3次元計測を行った記事は見つかるものの、取得データ自体に殆どアクセスできない3次元データ。レーザーやSfM/MVSと比べ粗いデータではありますが、使用してみたいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください。ただし、管理者/自治体との契約により、利活用が制限されている場合があります。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを引き継ぎたい方へ

個人の3次元データではありますが、複数の要因で立入ができなくなった横穴式石室/横穴墓が多くあります。今後、個人でのデータ管理が行えなくなる/デジタル遺品化することを考慮し、データ相続先の研究者さん団体さんを緩く募集します。

記事への秘匿コメント、Sketchfabアカウントへのメッセージ、ストリートビューの公開アカウントなどお好きな手順でご連絡ください。





2018年11月30日金曜日

徳島県_美馬市_棚塚古墳(Ver2.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※StructureSensorでの3Dスキャンの初期に見学している棚塚古墳ですが、データが失敗していて心残りだった場所。ZenfoneAR+Rtab-MAPで再スキャンして、カッコイイ姿となりました。横から見るとやはり建物のようにも見える段の塚穴式。玄室の最大高部分が長めで、海原古墳の玄室と似ている・・・のかな。


2018年11月22日木曜日

兵庫県_丹波市_中野1号墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※豪快に口を開けている中野1号墳ですが、これは石室奥壁側。この開いている部分が本来の古墳中心部になります。片袖の石室で、天井の高さでは羨道と玄室の差がほとんどなく、見学した丹波市内の石室では少し毛色が異なります。石室全長は確認できるだけでも12m近くあり、かなり細長い石室です。おそらく地権者さんが、杉や竹を整理してくださったようで、全天球写真にも伐採したあとが見られます。おかげで本来の開口部側に回り込むことができ、現状の全体像を掴むことができました。

本来の開口部を3Dスキャンして、継続したまま北西から玄室に入り南東の開口部にデータを繋げるなんてことをしています。墳丘側面を迂回(多少の距離と上下動)してもある程度見れるスキャンデータになるとは。。。。この迂回中の点群も墳丘に繋がるデータかもしれないのですが、Sketchfab上には石室に限定したデータを公開しています。

中野1号墳データ全景
右上が奥壁、左が本来の開口部


2018年11月14日水曜日

島根県_松江市_安部谷古墳群(Ver1.0)

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※野生動物もでるということで、ラジオを付けて見学した安部谷古墳群。そのうちの、横穴墓群の第一群。崖面のかなり上部にある横穴墓群ですが、足場と階段があり山全体を巡るコースの一部になっています。5号墓を除き、しっかりと屋根構造の横穴墓が勢ぞろい。前室?も屋根形状と思しきラインをとっているのが確認できます(1号、4号)。1号墓は岩屋後古墳の石室形状に近く、巨大な石室を作った西出雲とはまた違った文化があったのかなぁと想像させられます。

見学していたら、いろんな方(埋文の方々?)と遭遇しました。

全5基に対する横穴墓内と横穴墓前の高画質全天球が連結され、横穴墓群のストリートビューとしては、破格の出来・・・な気がします。(Thetaを使った長柄横穴群ストリートビューよりデータ量は格段に上)

2018年11月11日日曜日

同じ人たちが造った”かもしれない”石室

二度の奈良見学で撮影したいわゆる”天王山式”横穴式石室の3次元データ。

牧野古墳石室

赤坂天王山古墳

牧野古墳は、大阪市立大学が2010年3月に3次元計測を実施。赤坂天王山古墳は、桜井市と某社(報告書記載)が2006年?に3次元計測を実施。12年前に3次元計測機の運用実験を行った石室を、同列には語れないものの見学者が記念撮影(3次元)するようになるとは・・・。技術の進歩は恐ろしいものです。

さて、今回見学した牧野古墳と赤坂天王山古墳の石室は、報告書にもいくつかの制限は付きつつも”非常に似通っている”と記載されています。平面図や側面図だけではなく、折角の3次元データ。3次元的に似ているのかを、CloudcompareのDistance機能で遊んでみました。互いに相手の石室をリファレンスとして、どの程度距離が離れているかを計算。
(赤>25cm、黄色>15㎝、緑>6cm、6cm>青)
床面の最奥ラインと天井石平面を基準としています。

奥壁側
左:赤坂天王山古墳
右:牧野古墳

前壁側
左:牧野古墳
右:赤坂天王山古墳
奥壁・天井はほぼ緑以上、奥壁向かって左側壁は青や緑が多いものの所々に赤が出現。奥壁むかって右側壁は高さ1mほどまでは青/緑が多いもののそれを超えたあたりから赤が頻出。前壁は、傾斜角が大きく違うので上に行くほど赤。10cm以内に収まっている個所は、玄室全体の46%ほどで、20㎝まで含めて66%。

3次元データにどういう処理をすれば、同一設計、同一の築造集団を見極められるのか。考古学者さんに見解を聞いてみたいものです。


※文中の”報告書”:赤坂天王山古墳群の研究ー測量調査報告書ー

2018年11月7日水曜日

徳島県_美馬市_三島古墳群1号墳(Ver1.0)

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※市役所で場所と道筋を聞いて臨んだのに道を間違えた三島古墳群。舗装道路から沢右側の道ではなく、左側の道を進むのが正解。右側を進むと、沢を渡らなければいけないうえに、急斜面を直登する羽目になります。登りきると現れる1号墳。かなり小型の前方後円墳もしくは長円墳とみられています。その墳丘東西に石室があります。1号石室(西側)の詳細は以前の記事を参照してください。その1号石室より少し大きい2号石室(東)。側壁に大きな石材が使用されていたり、玄室天井の高低差がそれほどでもなかったりと、段の塚穴型としては主張が弱めの石室です。

2018年11月4日日曜日

兵庫県_福崎町_神谷古墳(Ver1.0)

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※あっちのお寺さんにも凄いのがあるよと連れられて伺った神谷古墳。2014年に町指定史跡になったばかり。無袖?天井高で玄室分けする形状で、全長は10m以上全幅が1.4mほど。奥壁上二段の石材は、内傾しています。誰でも入れる石室ではありませんが、墳丘と石棺材も含めて見学できる史跡です。この後、2018年GWに大塚も見学したので、福崎町3大石室?を周ったことになります。

年末の忙しい時期に対応してくださったお寺の皆さん、学芸員さんありがとうございました。