注意事項と3次元データの共有について

〇注意事項

3次元データのサイズによっては、高額な通信費用が発生します。Wi-Fi接続状態のスマートフォンまたは定額回線でのPCブラウザでの閲覧を推奨します。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを使用してみたい方へ

古墳や横穴式石室/横穴墓の3次元計測を行った記事は見つかるものの、取得データ自体に殆どアクセスできない3次元データ。レーザーやSfM/MVSと比べ粗いデータではありますが、使用してみたいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください。ただし、管理者/自治体との契約により、利活用が制限されている場合があります。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを引き継ぎたい方へ

個人の3次元データではありますが、複数の要因で立入ができなくなった横穴式石室/横穴墓が多くあります。今後、個人でのデータ管理が行えなくなる/デジタル遺品化することを考慮し、データ相続先の研究者さん団体さんを緩く募集します。

記事への秘匿コメント、Sketchfabアカウントへのメッセージ、ストリートビューの公開アカウントなどお好きな手順でご連絡ください。





2017年9月28日木曜日

Tnago/Photoscan/Structuresensor違う技術で作る同じ石室

注意!!
ファイルサイズ極大です。高速固定回線かつPCでの閲覧を強くお勧めします。とくに真ん中のPhotoscan作成(Ver4.0)。

同じ条件ではないものの、3つの機材で3次元計測した群馬県観音塚古墳。夏は、観音塚古墳に限るとばかりに、4年連続でスキャンしに行ってます。しかも、毎回新手法で。。。
そのうち、そこそこ良くできたかなと思える三つを並べてみました。
正解=測量三面図はパンフレットに載っているものの小さい。



一番左 HW:ZenfoneAR+SW:RTAB-MAP  2017年7月スキャン
ZenfoneARにインストールしたRTAB-MAPで石室をスキャン。ZenfoneAR上でメッシュとテクスチャを作成したもの。スキャン時間おおよそ10分。処理時間とSketchfabへのアップロードで10分。アップロードまでを一つの機材で完了させられるのは大きいポイント。開口部が3D化できていないのは、見学ツアーの方々が来てしまったから。技術的な問題ではありません。

真ん中 HW:PanasonicGH-1+SW:Photoscan 2016年8月スキャン
GH-1で撮影した1000枚の画像データを、Photoscanの中/中設定で3日かけて3D化したもの。(特に調整なし)撮影時間おおよそ1時間。
石材の凹凸とかテクスチャに関しては、ダントツ。VRでの再見学で天井石の線って何だろう?というような気付きに繋がる3Dモデル。

一番右 HW:Structuresensor+SW:Roomcapture 2015年7月スキャン
Roomcaptureで取得した生データ(obj)をBlenderを使って手動でくっつけたもの。
スキャン時間おおよそ20分。PCを使用して連結1時間。後連結の必要やデータの荒さはあります。ただ、全体像を撮りたければiPadで、細かく撮りたいならモバイルPCを加えてSkanectでと対象のサイズに合わせて構成が変えられる強みも。


ちょっと立ち寄ったついでに3次元計測?VRコンテンツにするために3Dモデル化?
用途目的によってもずいぶん変わってきますが、どの手法で作成したモデルがお好みですか?

上:structure
中:Photoscan
下:ZenfoneAR


下絵バージョン

2017年9月26日火曜日

石室一つの3D化にどのくらい時間をかけているか

長期間の古墳見学の前に発生する教育委員会様との調整。
その際聞かれる質問の一つに”どのくらい時間がかかるか”というのがあります。

実際、2015年末~2016年始の長旅見学でどの程度かかっているのか調べてみました。
見学した場所柄?、3室構造の複室形式や複雑な石室内内部構造がありません。

最初のスキャンデータの送信時間から最後のデータの受信時間を引いたものなので、実質はそれに1分程度足したものでしょうか。3Dデータは分の数+0~4くらいが取得できています。
(注:ここでいう3Dスキャンは、StructureSensor&Roomcaptureを使用したものです)


馬立古墳群1号墳(片袖) 14分
馬立古墳群6号墳(無袖) 7分
馬立古墳群7号墳(無袖) 6分
若狭野古墳(両袖、複室) 14分
鳥取上高塚古墳(片袖)  12分
唐人塚古墳(両袖、石棺) 12分
緑山古墳群4号(両袖) 16分
緑山古墳群7号(片袖) 14分
緑山古墳群8号(片袖) 17分
小迫大塚古墳(両袖) 32分  ※天候待ちで長め
橋本荒神塚古墳(両袖、石棚) 11分
穴ヶ葉山古墳群1号(両袖) 11分
穴ヶ葉山古墳群2号(両袖) 6分
穴ヶ葉山古墳群3号(両袖、複室) 14分
百留横穴群1号墓(横穴墓、単室、入室なし) 4分
四日市横穴群62号墓  (横穴墓、単室、入室なし) 5分
大谷古墳(両袖、入室なし) 7分
定東塚古墳(両袖) 14分
定西塚古墳(片袖) 14分
定北古墳(両袖) 18分
定5号墳(無袖、天井岩露出) 5分


リンクがあるものは、すでにSketcfabで公開しているもの。

15分あれば普通の石室は3Dスキャンできてますね。
馬立古墳群6、7号墳のような無袖単形、穴ヶ葉山古墳群2号のような両袖小型石室に至っては、10分をきっています。実際には、普通に見学したり写真撮ったりする過程でサイズ感やスキャンプランを考える時間もあるので、3Dスキャンだけで30分というのはまぁ妥当かなと思います。

石室ざっくり3Dスキャンプラン
星の位置がスキャン実施者の位置。各色の枠がスキャン範囲。それぞれに一部重複があるのは、石材形状をマーカーとして連結するため。家に帰って、スキャンデータを連結して1石室モデルにするのにはざっくり30分~1時間位かかります(手作業)。

超高画質全天球撮影やPhotoscanによる3D化、ThetaSによる全天球撮影、ZenfoneARによる石室/墳丘3D化となかなかメニューが増えてきて、やれること全種類こなすとおそらく4時間を超えるでしょう。。。

逆にZenfoneARでの石室3D化とThetaS等専用機材による全天球撮影に限れば、後期群集墳20基程度のデータ化を1日で終わらすことも夢ではないかも。

2017年9月23日土曜日

福島県_浅川町_染古墳(Ver1.0L)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※壬生車塚古墳の延長戦。類型の石室を探して福島まで足を伸ばして、さらに少し山登り。地震の影響などもあり、補強材が多数の染古墳(染の虚空蔵様)。石室内部は梵字の掘り込みなどもあり、古墳の石室というよりは”やぐら”なんかを想起させます。ただ、3Dモデル化してみると、空間形状だけにフォーカスするので横穴式石室の感じが出てきます。

なんだか蜂が多いなぁと思ったら、覆屋の奥側に蜂の巣が・・・。見学はやはり晩秋~冬に限りますね。

2017年9月20日水曜日

劇的?BeforeAfter Photoscanの場合

バージョンをあげて
結合され難くなった
と噂で聞いていたPhotoscan。

別の噂で、”今までGPUがサポートされていなかったプロセスがサポートされた”と聞き、真相を確かめようとPhotoscanの変更履歴をチェック

噂のGPUサポートは、おそらくこれ。
Version 1.3.0 build 3772 (5 February 2017)
• Added GPU acceleration for image matching.

もう一つの噂の結合しづらくなった件に関連しそうなのは、
Version 1.3.0 build 3772 (5 February 2017)
• Switched to CUDA for NVIDIA graphics cards.
Version 1.3.0 build 3075 (8 October 2016, preview
release)
• Optimized dense cloud generation in case of large overlap.

確か前までは、GPGPUはOpenCLだった気が。(株式会社オーク様 QAページ
オーバーラップが過ぎたときの最適化っぽいですが、噂の要因とは違いそう。

なんとなくそれらしい変更履歴は見つけたものの、それが変更履歴や噂どおりに効いてくるのか。バージョン違いのPhotoscanで試してみました。

違いはPhotoscanのバージョンだけ。
Version 1.2.6 build 2834 (20 July 2016)
Version 1.3.3 build 4827 (16 August 2017)

PCの構成はざっくり、Corei7_2600/メモリDDR2_16G/SSD_128G+HDD2T/GPU_Geforce1070です。
題材は、古墳墳丘をドローン撮影した画像です。

V1.2.6
V1.3.3


結果
○GPUをイメージマッチングに使用する差分。
49分12秒から2分39秒へかなりの短縮。

○結合しづらくなっている噂。
画像607枚中
606枚使用されていたのが、572枚に減ってる・・・
実に5%の写真が使われなくなっています。それに伴ってか、DensePointCloudも1割弱低下。これは結合しづらくなったという印象を持たれてもしょうがないかな。

困った事にGPGPUをOpenCLに変更するメニューはないため、NVIDIAグラボでOpenCLにしたければバージョンを下げるしかないことになります。

システム用件にhigh-end OpenCLと書いてあっても、それに該当するAMDのグラボが記載されていないのでRadeonに乗り換えるのもちょっと怖い。

石室で以前できていたものが、同じようにできなくなっていたら(特に狭い羨道部分)。
意図してバージョンダウンするかも。


2017年9月17日日曜日

岐阜県_土岐市_炭焼古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※箱型の連結で岡山/広島方面の石室を思わせる炭焼古墳。全天球では中々分かりづらいですが、立てるほどの高さはありません。1.5倍にして、大坊古墳の高さ/幅と同じくらい。


上:50%増量炭焼古墳
下:福山市大坊古墳 原寸

前室は一枚岩構成ではなく、比較すれば小さい石材で構成されています。長方形や板状の石材を互い違いになるように配置されている様にも見え、1枚岩で構成された後室との対比が面白いです。

撮影している最中に日光が入るようになり、内部から外へ向けての撮影が困難に。玄門や前門の内部側データに欠落や泡だった場所があるのはおそらくそのせい。樹木が無く開けた場所で完全に逆光になる場合も考えなくては。

墓地内の古墳ということもあり、撮影/公開には注意が必要です。



2017年9月15日金曜日

世界は自撮りに満ちている 片方だけのDepthsensor

フロントだけにDepthSensorって
どんだけセルフィーな世界だ!
顔スキャン中?

同様の機能を目的としたRealsenseF200が50~120cmなので、TrueDepthCameraのレンジは少し短めから同じくらいと予想。(手持ちだけじゃなく自撮り棒の使用の可能性も含めて)

赤外線ということなので、直射日光下での顔認証ができるのかとか懸念する点もいっぱい・・・


もう一つの点群を取る方法 ARkitには多少の期待。
継続して点群を取得するような動画も見つかります。



雑な点群であっても、とにかく取れる距離が長ければ・・・

とりあえず、iPhoneX買って試してみますか。
Blueborneを言い訳にして。

2017年9月12日火曜日

スマホで計る60m超の墳丘

ZenfoneARを使用した墳丘を横断する線は壬生車塚古墳で実証できました。それでは、複数の線を組み合わせてどの程度の面スキャンできるのか、お隣さんで検証。

全長60mとされている牛塚古墳
まずは、できるだけ主軸に沿って一本。
後円部を横切って一本。
前方部を横切って一本。
後円部を北側を面で一つ。

ここで電池は100→50%。だいたい、1回1Gbytesの点群データを取得すると数%電池を消費するよう。最長で60m*3m程度のスキャンはできているので、直径20m以下の斜面の急ではない墳丘なら1回で計れるかも。

それぞれスキャンした点群データをスマホから抜き出し、とりあえずそれっぽいところで結合。



なんとなく、それっぽい形状になりました。
ただ、Sketchfabで見てみると連結部分ズレがはっきりと見える荒さもあります。木々や残っている赤マーカーをベースにポイントの結合を行えばもう少し結合精度はあがるのかも。
やはり、測量の際に使われるマーカーや基準点は偉大です。


高低差の色合いをつけたもの、透過で下に見えているのは牛塚古墳測量図
平成28年度 車塚古墳・牛塚古墳 現地説明会資料より引用
こちらもなんちゃってオーバーレイので精度などは???

ZenfoneAR・・・高価な機種だけにやれることはやはり凄いです。

2017年9月11日月曜日

神奈川県_横浜市_宮ノ前横穴群B群C群(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※柵外からBCD群を撮影し、Pix4DMeshで3D化。残念ながらBCだけしか3Dモデルにはなりませんでした。

飾り縁のように見える部分は、玄室の奥側。上から見ると奥行があり玄室らしい形状が見えます。崩れやすいのか、玄室が完存しているものは殆どないようです。柵付くのもしょうがないですね。仮に3Dスキャンできたとしても袖ありの棺室は中々に難しそうです。

2017年9月7日木曜日

さよならTango、こんにちはARcore

深度センサー付きスマホは、まだ普通にはなれなかったようです。

~~Tango英語版 HPより~~
Tango付きスマホなんて二機種しかないし~
広く受け入れられたいから、特別装備なしで動くARcoreでがんばるよ

~~~~(悲観意訳)


これはさよならTango宣言!?
でも、ZenfoneARがしばらくの間、深度センサー付きAndroidスマホの最高機種であるということでもあるのかな。こういった文章を出されると趣味ならともかく、生活のかかってる開発者・最新のコンテンツを楽しみたいユーザーは離れていくんでしょうね。

盛り下がる前に、古墳見学に使えるTangoアプリ 見つけられて良かった。


さてARCoreです。Galaxy S8にサンプルインストールして試させてもらいましたが、形状認識できなかったスマホがそれを出来るようになるという機能アップした感覚になれます。すぐにみんなが試せるようにカメラセンサー/レンズとARcoreの調整が自動(もしくは手動アプリ)で出来るくらいあればよかったのに。

サンプルで見る限り計測範囲の制限も今のところTango同様の3~4mといったところでしょうか。


以下は株式会社アイデアクラウド様がYoutubeにあげている動画です。




そもそもXYZのポイントクラウドを継続的に取得できるか
雑でも良いので既存の深度センサーより長い距離でポイントクラウドが取れるかなど
いろいろ知りたいことはあるものの、国内の正式対応機種は一つ。

iOS側も含めてしばらく様子見です。

2017年9月5日火曜日

Sketchfabのビジネスアカウントをタダでもらう方法?

注意
最新の価格をHPで確認してください。
2018/08/20時点では、学生教師はProアカウント45%Off
博物館はPro無料:PremiumとBusinessが50%Offと書かれています。

~~~~~~
すっかり忘れていましたが、1年ほど前。
Photoscanを併用し始めたころ、Sketchfabとこんなメールのやり取りがありました。

~~~~
S
お前、墓の3Dばっかり登録しやがって。
研究機関/大学/博物館に勤めてるだろ?
とっとと博物館用のフリーアカウントにしやがれ!
~~~~
N
滅相もない。しがない見学者です。
毎年、プロアカウントのお金は納めさせて頂きます。
平にご容赦を~ 
~~~~
S
そうかそうか。
それはそうと、日本の文化/教育分野でSkechfabが広まらないのはなぜだ?
研究機関/大学/博物館に加え、学生/教師もタダだというのに。
~~~~
N
独自プラットフォームでやらないと気が済まないんです。
クラウドサービス嫌いだし。
(あと県市町村レベルでそこまでの調整できる人少なそう)
~~~~
S
なんと無駄なことを!
少しでも寝返る気のある者がいれば、すぐに知らせるのだ。
~~~~
N
はは~
~~~~
注:多大な誇張を含んでいます
招待されたのは本当です。


ということで、私はお金を払っています。
どのように研究機関/大学/博物館であることを証明するのか、登録したデータの権利関係/データ保全の担保など謎な部分もあります。
ですが、ビジネスアカウント($348/年)/プロアカウント($120/年)が浮く上に、公開/Draft以外に限定公開(URL)/限定公開(Pass付き)が使用できることはデータの共有が容易になることを意味します。

3Dデータの作成→SketchfabへDL可/限定公開(Pass付き)で登録→関係者にURLとPassを通達。→Sketchfabフリーアカウント取得している関係者はDL可能

公式SNSなどの運用経験があれば、所属をたてにビジネス/プロアカウントを取得してしまうのもアリかもしれません。

研究機関/大学/博物館向けHP  Sketchfab for Cultural heritage
https://sketchfab.com/museums


学生/教師向けHP  Sketchfab for Education
https://sketchfab.com/education

2017年9月1日金曜日

長野県_飯田市_石塚第1号墳(Ver1.0L)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※桜の名所 石塚桜とgoogleMapに登録されている石塚第一号古墳。上溝天神塚の天井石が一段下がる前までの形状に近く、奥壁付近の現状高さ/幅はほぼ同一です。桜の下には石室が埋まっている状態ですが、考えてみれば石室の方がはるかに古いんですよね・・・


上:上溝天神塚古墳、下:石塚第一号墳

なお、重複した位置にマーカー作るのもアレなので、googleMapの”麻績の里 石塚桜”に全天球写真はリスティングしています。桜クラスタの皆さん、綺麗な桜の全天球写真で上書きしてください。