二度の奈良見学で撮影したいわゆる”天王山式”横穴式石室の3次元データ。
牧野古墳石室 |
赤坂天王山古墳 |
牧野古墳は、大阪市立大学が2010年3月に3次元計測を実施。赤坂天王山古墳は、桜井市と某社(報告書記載)が2006年?に3次元計測を実施。12年前に3次元計測機の運用実験を行った石室を、同列には語れないものの見学者が記念撮影(3次元)するようになるとは・・・。技術の進歩は恐ろしいものです。
さて、今回見学した牧野古墳と赤坂天王山古墳の石室は、報告書にもいくつかの制限は付きつつも”非常に似通っている”と記載されています。平面図や側面図だけではなく、折角の3次元データ。3次元的に似ているのかを、CloudcompareのDistance機能で遊んでみました。互いに相手の石室をリファレンスとして、どの程度距離が離れているかを計算。
(赤>25cm、黄色>15㎝、緑>6cm、6cm>青)
床面の最奥ラインと天井石平面を基準としています。
奥壁側 左:赤坂天王山古墳 右:牧野古墳 |
前壁側 左:牧野古墳 右:赤坂天王山古墳 |
奥壁・天井はほぼ緑以上、奥壁向かって左側壁は青や緑が多いものの所々に赤が出現。奥壁むかって右側壁は高さ1mほどまでは青/緑が多いもののそれを超えたあたりから赤が頻出。前壁は、傾斜角が大きく違うので上に行くほど赤。10cm以内に収まっている個所は、玄室全体の46%ほどで、20㎝まで含めて66%。
3次元データにどういう処理をすれば、同一設計、同一の築造集団を見極められるのか。考古学者さんに見解を聞いてみたいものです。
※文中の”報告書”:赤坂天王山古墳群の研究ー測量調査報告書ー
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