今更ですが、作った石室3Dモデルの測量精度ってどうなんだろう?と思い立ちました。
スキャナで取得してデータに縮小をかけていないので、公開しているものは全て1/1モデルです。
10mを超えるような大きな石室を編集していると、編集領域からずいぶんはみ出たりするので大まかにはあっていると思いますが、果たしてどうでしょう。
早速、計測してみました。
3Dモデルの結合や最終的な調整に使用する3Dモデリングソフト”Blender”
このソフトの機能に2点間の測量をするものがあります。
この機能を使用して、前回公開した千畑古墳について測量してみます。
立て看板の説明と西都市の解説ページから
玄室長 4.9m
玄室高 2.8m
という箇所を測量してみます
この玄室長、玄室高という二箇所を選択した理由は、この千畑古墳の石室3Dモデルが2回のスキャンの結果でできているためです。玄室高は、1回のスキャンの誤差。玄室長は2つのモデルを連結しているので、スキャンの誤差+手作業による連結誤差となると思います。
○玄室の高さ
玄門側床視点から奥壁方向 |
奥壁手前の床面からできるだけ垂直に天井まで二点を設定してみると、
2.85411m
高さ方向以外のX,Yもそれぞれ13cm、3.5cmずれがあるので完全な垂直ではありませんが、説明の2.8mと大きく離れているわけではなさそう。
○玄室の長さ
床下からの視点で床面プラン |
玄門の袖石が微妙にずれていてどちらを基準にしようか迷いました。
(説明ページでも一直線にはならんでいない)
結局、右側袖石の玄室側表面から奥壁までほぼ床面の高さで測量してると、
4.94875m
こちらも長さ方向以外のズレが2cm3cmありましたので完全な長さではありませんが、説明の4.9mから数十センチで離れているわけではなさそう。
側壁石材がちゃんとマーカーになってくれたおかげでもあります。
大体このスキャンを実施するのに約30分、データの整理や結合したりするのに1時間。
このくらいの誤差?こんなに誤差?
測量技術をお持ちの測量士さんや学芸員さんはどう考えるのでしょう。
むしろ今回、玄室長といわれて
どこからどこまで測るのが正しいんだろう?
なんていう、そもそもが分かっていない事に気がつかされました。
(千畑古墳も奥壁が微妙にせり出してきているので、高さ1mだともう少し短くなる。)
関東近辺でちゃんとした石室測量を見学させてくれる埋文さん教育委員会さん募集中です。
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